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孫正義社長のコロナウィルス100万人検査。問題点を徹底解説。

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孫正義社長のコロナウィルス100万人検査

孫正義社長のコロナウィルス100万人検査

ソフトバンクの孫社長がこんなツイートをして、

多くの医療人の反発にあい、すぐに撤回するという騒動がありました。

一見、良さそうな内容ですが、なぜダメなのか疑問に思いませんか?

大きな問題は3つですのでそれぞれ解説いたします。

有病率の問題

有病率の問題

ありとあらゆる検査において、検査精度の向上に大きくかかわるのが有病率です。

これは医師が経験や医学的知見から即座に判断し、この患者は可能性が高いと考えた場合のみ検査を行っています。現状コロナに関してはその精度をより上げるため、医師と保健所のダブルチェックになっています。

今回の100万人検査の場合、患者が医師の判断とは関係なく検査をします。

その場合の有病率は限りなく低くなります。

有病率が低くなるため検査が意味をなさなくなるというのが結論です。

ここからはそれを説明するために偽陽性、偽陰性の問題と合わせて話していきます。

まず有病率を計算します。医師の臨床判断がない場合

基本的には患者数/人口×100が有病率です。

河野太郎大臣のツイートからですが

現在の患者数はクルーズ船合わせても1317人

日本の人口は1億2000万人です。

ここから計算される患者数は0.0011%です。

『日本は検査に積極的ではない』

『簡易検査も少なからずリスクがある人が自分でやるはず』

という意見が考えられますので、とりあえず1000倍して

有病率1.1%としたいと思います。

100人中1人はかかっていないというのは感覚的にもわかるかと思います。

1.1という数字は相当高く見積もっています。

100万人に検査をしたい場合、

現状の有病率から予想される感染者は11,000人です。非感染者は989,000人です

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偽陽性、偽陰性の問題

偽陽性、偽陰性の問題

次に偽陽性の問題です。

孫社長が用意しようとしたキットの感度、特異度が解りませんので

今回は一般的に使われているインフルエンザ迅速診断キットの感度62%、特異度98%を使いたいと思います。

感染者11,000人のうち、陽性と偽陰性は

陽性:偽陰性=6,820人:4,180人

非感染者989,000人のうち、陰性と偽陽性は

陰性:偽陽性=969,220:19,780

となります陽性の総数は陽性+偽陽性ですので26,600人

     陰性の総数は陰性+偽陰性ですので973,400人

26,600人のうち本当に陽性なのは6,820人です

この時の陽性的中率は6,820/26,600×100=25.6%です。

陽性と出ても7割以上がはずれです。全く機能しません。

次に陰性的中率ですが969,220/973,400×100=99.6%です。

こちらは精度が高いです。安心材料くらいにはなるかもしれません。

しかしながら4,180人の偽陰性(感染者)が野に放たれることを忘れてはいけません。

このように、医師(保健所)の判断無しで検査を強行した場合、

陽性率は使い物になりません。

そして、大量の偽陽性の患者で病院が溢れます。(感染拡大+医療リソース消費)

また多くの偽陰性の患者が町をうろつくようになります。(感染が拡大)

まとめると以下の様になります。

得られるもの・メリット

  1. 陽性的中率25%の検査結果
  2. 陰性の場合の安心

失うもの・リスク

  1. 偽陽性の患者が病院に押し寄せることによる感染拡大
  2. 偽陽性の患者が病院に押し寄せることによる医療資源の消費
  3. 医療資源の過度な消費に伴う医療崩壊のリスク上昇
  4. 偽陰性患者が解放されることによる感染拡大

意味のない検査結果と安心を得るために大きなリスクを伴うことがお分かりいただけるかと思います。

個人の安心の為に集団が危険にさらされる訳です。

検体の取り扱いについての問題

検体の取り扱いについての問題

今回のケースは検体の取り扱いの問題もありました。

感染検体ですから発送包装も厳重にするよう定められます。

しかしながら100万人の全てが、その発送方法を正確に守れるでしょうか?

5%のエラーが生じただけで50,000人分の感染検体が郵送中に漏れる可能性があります。

50,000人分の感染物の塊が裸に近い状態で郵便システムで全国から送られます。

発狂しそうなほど怖くはないですか?

簡単に感染拡大します。

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まとめ

まとめ

個人の安心を目的とした安易な検査拡大が、感染拡大と医療崩壊の引き金となることがお分かりいただけたでしょうか。

1人でも多い方の医療リテラシーの向上につながったのならば幸いです。