2009インフルエンザパンデミックからCOVID-19の展開を考える

2009インフルエンザパンデミックからCOVID-19の展開を考える

2009インフルエンザパンデミックから今後の展開を考える。

東京で連日100人を超え、第二波や先行きの見えない状況に不安を抱えている人が多くなってきたよう思います。

今回は、前回のパンデミックである、2009インフルエンザパンデミックの際の日本国の対応、状況の変遷を今一度振り返り、その知見から、今後どのように変わっていくのか想定&考察したいと思います。

2009インフルエンザパンデミックの概要

概要
  • 原因ウイルス:A/H1N1pdm09
  • 日本の累積患者数:2,100万人
  • 日本の死者数:203人(2010月8月末)
  • 若い世代でのウイルス性肺炎が多い
  • 高齢者よりも小児の入院例が多く報告
  • 中高年は発症すると致死率が性にをはるかに上回る
  • 入院者の3割は基礎疾患を有する

通常のインフルエンザと異なり高齢者の二次性肺炎ではなく、小児のウイルス性肺炎が多かったことも特徴でした。

 
ちなみに現在A/H1N1pdm09は毎年流行する季節性インフルエンザになっています。

国内対応とWHO対応

役割

WHOと日本の対応を時系列にそって紹介します。

日程内容
2009/4/24メキシコ・アメリカで豚インフルエンザの人への感染確認
2009/4/25WHOが公衆衛生上の緊急事態と声明のち宣言
2009/4/27WHOがフェーズ4宣言
2009/4/30WHOがフェーズ5宣言
2009/5/1日本が新型インフルエンザ対策本部専門家諮問委員会設置
2009/5/9日本人3人の感染を成田空港で確認
2009/5/13神戸市にて国内初の感染を確認
2009/6/10国内感染者500人超
2009/6/12WHOがフェーズ6宣言(パンデミック)
2009/7/15国内感染者3,000人超
2009/7/20国内感染者4,000人超
2009/7/23国内感染者5,000人超
2009/8/15沖縄にて初の死者を確認
2009/10/9国がワクチンを初出荷
2009/12/6国内死者数100人超
2010/1/20輸入ワクチンの特例承認
2010/2/12輸入ワクチンの初出荷
2010/3/26日本が流行鎮静化を発表
2010/8/2余剰ワクチンをメーカーへ返品する方針発表
2010/8/10WHOが終息を発表

考察

考察

個人的に特徴的だなと思った部分を抜粋して新型コロナウイルスパンデミックと絡めて考察してみます。私見全開です。

水際対策の難しさ

まず注目したいのは、この時も水際対策は1か月持たなかったということです。

アメリカの発表から約2週間後に成田空港で初観測。その後、4日で神戸市で発見されています。目に見えない病原菌との闘いにおいて水際対策は非常に困難であることが伺えます。

新型コロナウイルスにおいてはWHOや中国の隠蔽も指摘されており、かなり早い段階から水際対策は破たんしていたことは想像に難くありません。(2019年11月に武漢で発見され、WHO報告は12月31日と報告だけでも長い時間がかかっている)

暖かくなれば大丈夫とは言えない

次に暖かくなったからと言って油断はできないということです。

多くの場合、インフルエンザは11月下旬に発生し、5月に終息するという季節経過をとりますが、2009インフルエンザパンデミックでは7月に指数関数的な増加を認めています。

2週間という短い期間で夏場にも関わらず、2000人以上患者数が増えています。病原菌との戦いにおいて、暖かくなれば大丈夫という油断は禁物であることを示しています。

夏場だと言って油断していると新型コロナウイルスの蔓延が拡大する可能性は十二分にありえます。というか既に拡大していますね。

治療薬も流通していない現状では夏場の油断が多くの死者につながる可能性は否定できません。

ワクチン製造&量産は時間がかかる

ワクチンは6か月経過して初めて出荷されています。

インフルエンザワクチンは鶏卵を使用して計画的に作られるため、急な増産等は非常に難しくなっています。しかし製造方法自体は確立しているため、製品化のハードルは新規病原菌と比較して非常に低かったと考えられます。

それでも製品化し、多くの物量を確保し発売するまで、約6か月の時間を有しています。

非常にハイペースでワクチン開発が進んでいることは間違いありませんが、早期のワクチン対策は期待しない方がよいかと思います。

一般市民まで十分な物量が届くまでは長い時間がかかる可能性があります。今からこれを頼りに生活するのはリスクが大きいです。

特例承認から現場に届くまでの期間

  • アレパンリックス(H1N1)筋注
  • 乳濁細胞培養A型インフルエンザHAワクチンH1N1「ノバルティス」筋注用

2009インフルエンザパンデミックでは国産ワクチンの不足から上記2製品が特例承認を受けています。

しかしながら、特例承認をうけてから、輸入し発売されるまで約3週間かかっております。輸送や物量確保の問題がありますので、特例承認、即発売とはいかなかったのでしょう。

レムデシビルの特例承認後も同様の経過を取る可能性は否めない。現場に届くのは5月末~6月上旬になるのではないでしょうか。←(追記:おおかた当たりましたね。)

終息までの期間

最終的な終息までは約15か月と1年以上を要しています。治療薬、ワクチンのノウハウが存在するという新型コロナウイルスパンデミックと比べて非常に有利な状況であるにも関わらず、長い期間がかかっています。

日本単体でみると、発生5月、終息翌年3月末と少し短くはなりますが、1年以上はかかっています。

新型コロナウイルスは2021年以降に終息することも十分に考えられます。来年春以降の終息と覚悟して、長期戦略を立てていく必要があるのは間違いありません。

ワクチンの優先順位

時系列には記載していない内容ですが、

2009インフルエンザパンデミックの際にはワクチンの物量が限られる状況で接種の優先順位が存在しました。順番は下記のとおりです。

  1. インフルエンザ診療に直接従事する医療関係者
  2. 妊婦、基礎疾患を有するもの
  3. 1歳から小学校低学年の小児

A/H1N1pdm09は小児でのウイルス性肺炎が多かったいう背景があります。小児よりも高齢者で問題となっている新型コロナウイルスで、小児への投与を国が推奨するかはわかりませんが、1、2に関しては同様の対応がとられると考えられます。

つまりワクチンが発売されても、健康な非医療従事者は優先的にワクチンを使えない、使えるまでは時間がかかると考えた方が良いです。

 
個人的には安全性にも不安が残りますね…

まとめ

まとめ
  • 暖かくなっても油断はできない
  • 終息までは長丁場を覚悟する必要がある。
  • ワクチンは時間がかかる上、多くの人は優先接種ができないと想定される。
  • 特例承認されてもすぐには使えない。←(7/3現在は使えます)

簡単にまとめると以上です。

正直、新規患者数は減少傾向に転じていますし、イベント事の多いシーズンにはなってきました。各界のご尽力により明るいニュースも多いです。 (追記:緊急事態宣言が解かれて再度増加の一途を辿っていますね。)

しかしながら、冷静に過去の事案を確認してみると、一般市民に科学の恩恵が広まるまでは、まだまだ時間がかかりそうですし、感染終息までは長い時間を要しそうに思えます。

先日、国が発表した「新しい生活様式」に関しても、賛否が分かれていますが、

科学の恩恵を受けるまでの、長期戦略を考え立てていく際に一考する価値のある内容ではないかと思います。

 
うがい手洗い、三密を避けるを徹底しましょう。