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本来ならばメモリアル記事にしたかった所ですが、MR認定要綱の変更に伴って、MRバッチの着用義務付けという見過ごしちゃいけない事案が起こりました。
どんなニュースかというと…
◎認定証の携行とMRバッジの着用を義務付け
MR認定要綱では、MR活動に際し、認定証の携行と「MRバッジ」の着用を義務づけた。2021年4月から実施する。要綱には、「MRは高い志と使命感を持ち、患者志向に立った活動をするために、MR活動 を行うにあたってはMRバッジを着用しなければならない」としている。
この点についてMR認定センターの田中徳雄専務理事は、「自信を持って会社が送り出したMRが責務を全うし、会社もそれを全うしているのであれば、バッジもしっかり着用して欲しいという意味だ」と強調した。 バッジを着用することで、「院内活動の立ち振る舞いに気をつけるようになる」と述べ、要綱に示した「患者志向に立った活動」の意識付けにもつながるとの認識を示した。
これを読んだ瞬間の感想は
・え?嫌だな!正直着けたくはない…
・何処にしまったっけ?引越しのタイミングで失くしていそう…
という変化に対する拒否反応でしたが、少々時間を置くに連れて、
・義務化の理由考察
・強制的な着用義務化の問題点
・MRバッチ自体が抱える問題点
・現状からの考察
MR認定センターが示す着用義務化の理由
義務化の根拠となるMR認定要綱の記載を確認してみます。
(認定証の携行及び MR バッジの着用)
第 34 条 MR は、MR 活動を行うにあたっては常に認定証を携行し、医療関係者からの求め に応じて、提示しなければならない。
2 MR は高い志と使命感を持ち、患者志向に立った活動をするために、MR 活動を行うにあた っては MR バッジを着用しなければならない。
最初の文章の「医療関係者からの求めに応じて提示しなければならない」という文章はもっともでしょう。
常に持っておけってことよね
「自信を持って会社が送り出したMRが責務を全うし、会社もそれを全うしているのであれば、バッジもしっかり着用して欲しいという意味だ」とか
「院内活動の立ち振る舞いに気をつけるようになる」とかいう意味不明な言葉が出てくるんだと思います。
どっちも関係ありませんから!
バッチなくても責務は果たすし、医療機関での立ち振る舞いなんか原子レベルで注意するのがMRですからね?
着用することが目的として先行していて、後付けで理由考えるから訳わからなくなっていると言われても仕方ないレベルです。
着用義務化の問題点
そもそも私たち社会人は社会通念上問題がなければどんな格好をするか選ぶ権利があります。
これを制限するには、雇用契約に入れ込んだり、雇用契約に業務命令に絶対従うという文章を入れた上で命令する位でしょう?(専門ではないので他にもありましたら教えてください)
当然、今回の着用義務は雇用形態に入っていない内容です。
社会通念上必要だと言うのならば仕方がありませんが、前述の通り目的とロジックがはっきりしておらず社会通念との繋がりを見出すことも困難です。
本来身に着ける物は自由であるべきですよね?
それを縛ると言うならば、それに見合う目的と効果がなければ、従いたくないのが普通です。
他のバッチは?
バッチを着ける職業と聞いて代表的なのは代議員(国会議員)と弁護士です。
このうち着用義務が生じるのは代議員バッチです。
代議員バッチは国会議事堂へのセキュリティキーの役割を持っています。
これを着けないと入れません。
対して弁護士バッチは「携帯義務」があります。
裁判所やその他の関係者の要望がある時、提示する必要があります。
これはMR認定要綱の第 34 条「 MR は、MR 活動を行うにあたっては常に認定証を携行し、医療関係者からの求め に応じて、提示しなければならない。」に相当する物です。
弁護士バッチに着用義務はありません!!携行義務のみです。
代議員は着けないと入れないので義務となるのはどうしようもありません。
対してMRバッチはどうでしょうか?
着けていないと入れない医療機関はほぼ存在しません。(あっても極一部)
更に弁護士バッチと同様に携行義務も生じています。
つまり、MRバッチは携行義務&着用義務という弁護士バッチや代議員バッチよりも厳しい義務が課せられることになります。
これっておかしくないでしょうか?
相手は国会議員と国家資格です。対してMR認定資格は民間資格です。
にも関わらず病院の要望がある訳でもなく代議員と同様の基準かつ弁護士同様の携帯義務が生じています。
代議員や弁護士以上の厳しさ?
現状だとやりすぎと言わざるを得ません。
MRバッチが抱える欠点と問題(なぜ着用されない?)
そもそもMRバッチがしっかり着用されていれば義務化なんかされない訳でして…
なんで皆着けていないのか、そして着けない問題は何なのか?そういった点に触れていきたいと思います。
着用率
まずは着用率です。ぶっちゃけ私の周りはほぼ着けていません。
主観だけだと、主張として弱いのでTwitterでアンケートをとってみました。
結果は以下の通りです。
(MRの皆様)
MR認定バッチを— チクチク@お薬ブログ (@mrnetinfo) October 22, 2020
持っている、つけている、紛失、閲覧のみで分けています。
閲覧用を除くと結果は以下の様になります
・もっている:48.7%
・もっている(つけている):2.5%
・紛失:48.7%
理由
着用していない理由は私の中ではカッコよくない…これに尽きます。
カッコよくないものを着けない…至極当たり前の感情ですよね?
MR認定バッチは
— チクチク@お薬ブログ (@mrnetinfo) October 22, 2020
アンケートとっても9割がダサいと回答しています。
もちろんTwitterのアンケートですので、公的なものではありませんが、公的なアンケートを行うための試金石としては十分でしょう。
MRってデカデカ書いてありますからね!
こういうバッチって文字入れずにシンボルで表して、知っている人が見たらわかるっていうのがカッコいいんですよね。
前述の弁護士バッチも代議員バッチもシンボルだけが書かれていますよね?
適度に自己主張を消すからこそスーツの邪魔をしないんであって、ここまで自己主張強いとファッション的にダメですよね?
MR認定センターさん見てます?
顧客目線ではない
正直これも問題だと思っています。
MRにとって顧客目線、患者志向は重要です。
認定要綱にも患者志向が記載されています。
その患者さん、医療従事者から見て、こんなちっちゃいバッチに何の意味があると思います?
小さすぎて見えないですよね?身分証がわりにしても小さすぎます。
そもそもMRは大きなネームプレートを着用しているので身分証には困っていません。
MRバッチを着用することで顧客や患者様からどう見えるのか?という視点がポッカリ欠如しているんですよね。
現状からの考察
ここまでをまとめますとMRバッチ自体が抱える欠点は
- ダサい
- 顧客はどうでもいい
以上の欠点から「ほとんど着用されていない」かつ「紛失している」という問題を抱えている状況です。
この欠点を解決せず強制的に着用させよう物ならば
- ファッションの自由の侵害
- 代議員や弁護士以上の義務
という問題を犯しつつ、本質的に変わらないので、結局誰も付けなくなるという状況は目に見えています。
MRは真面目ですので、最初は付けるでしょうが、徐々になぁなぁになっていくでしょう。
これを解決するには問題点に真っ向から向かっていく必要があります。
問題点はシンプルです。ダサい、顧客はどうでもいい。この状況を変えればいいだけです。
そこに向き合っていない現状では、いつまで経っても、解決しないでしょう。
再発行手数料が欲しいだけなんじゃないか?
ここからは完全に私見ですが、ぶっちゃけ手数料欲しいだけじゃないの?って思っています。
アンケート結果の通り、約50%が紛失している状態です。
MRは約6万人いますから、義務化されれば3万人の再発行が行われます。
再発行手数料を1人1000円取れば3000万円の売り上げ、1万円を取れば、3億円の売り上げです。
着用したくなるバッチを切に願う
MRのブランティング戦略とか、利権とか、いろいろな物が裏で動いている様な気はしています。
でも今回の決定は「顧客の求めがない状態で私たちのファッションの自由を侵害する決定」です。
余程しっかりとした理由があるのならば従いますが、現状の理由では気持ちよく従う人は少ないと感じます。
それでも着用を義務化したいのならば、せめて着けたくなるセンスのいいデザインに変えていただけないでしょうか?
これがなければ、紛失しない様に厳重に保管されるMRバッチが増える未来が待っていると思います。
義務化までは半年ありますので、それまでに考慮していただけることを祈って本記事を終わりにしたいと思います。