医師の講演料は高くありません

結論から紹介しますと、私は医師の講演料は安すぎると考えています。
こんなイメージがある原因として考えられるのは、ランキングサイトや製薬会社との過去の悪習、メディアの情報が原因でしょうか。
現在医師の講演料はデータベース化されて検索できるため、どれくらい製薬マネーが医師に流れ込んでいるのか簡単にわかるようになっています。そんな中で、講演料ランキングも発表されており医師と製薬会社の癒着という悪いイメージもにもつながっています。
ワセダクロニクルさんのマネーデータベースとか有名です。https://db.wasedachronicle.org/
しかしながら、これらは一方的な情報で、他との比較や医師の時給等は全く無視しています。私も製薬業界に入る前は漠然と高そうと思っていました。
それではなぜ安すぎるのか見ていきましょう。
医師の講演の相場

会社ごとにバラつきはありますが、大手製薬会社の1時間当たりの講演料は大体こんなところです。
- 教授、教授級の医師:15万~10万円
- 准教授、部長級医師:10万~7万円
- 肩書無し通常の医師:7万~5万円
- 非医師コメディカル:5万~3万円
非常に人気のあるトップ一握りの医師でも20万円/時位です。ボリュームゾーンは10万円/時かな?
1時間10万ももらっているの?とんでもなく高いじゃんと感じた方、こんなもんかという方、さまざまいらっしゃるかと思いますが、他業種セミナーの相場を続いて確認してみましょう。
他業種の講演(セミナー)の相場

過去、ビジネスセミナーを主催したことがあるのですが、その際の相場は20万~30万円/2時間でした。時給換算で10~15万円と教授と同額です。この20~30万という相場はほぼ無名のセミナー講師の相場です。リーズナブルゾーンなんです。
少し有名になると30~50万円。50万円を超えると著名人がやってきます。旧大阪府知事の橋本徹氏は過去90分一律200万円。133万円/時間と明言しています。そうです本来の講演相場ってこんなに高いんです。
まとめると
- スター講師:50万~/時
- 著名人講師:25~50万/時
- 有名講師:15~25万/時
- 無名講師:10~15万/時
かなり違いませんか?これだけでも医師の相場が安いと感じますよね。
もちろんこちらの相場はビジネスマン向けに行うセミナーです。対象は違います。でも医師が講演する相手は多くが医師です。医療の専門家に医療の話をするわけですからビジネスマン相手のセミナーより難易度が低いとは思いません。
医師の時給

もう一点忘れてはいけないのは医師の時給です。
厚労省によると全国の診療所の平均受診者数は約40人。診療報酬単価は5000円/人ぐらいです。(もちろん科によってバラつきは有ります)
40人を労働時間の8時間で割ると5人。25000円/時というのが全国の診療所医師の平均時給です。しかしながら講演を行う医師は、教授やオペで高名な医師。さらには人気開業医です。人気開業医は午前中だけで100人診療していることもあります。仮に1日100人を診療している医師の場合は62500円/時給です。大体5分で1人の患者を診療しているペースです。
更に病院だと手術等も入ってくるので高くなる傾向があります。教授なんかは発言一つで大きなお金が動いたりしますからね。さらに経費がここから惹かれます。ただ人気医師や教授の稼ぐ力自体は5万円以上はあるわけです。
講演をするといっても、スライド作成やデータ整理、打ち合わせ等でなんだかんだ時間を使います。トータル3時間で済むとは考えにくいですよね。(何度も使いまわしていることも多いですが)
どちらにせよ、彼らは準備に要する時間分を働けば15万以上の金額を売り上げることが出来る訳です。こう考えると決して高くはないと感じませんか?
まとめ

教授って今風に言えば有名インフルエンサーなんです。医局の治療方針次第ではエリア全域に処方が波及します。なのに15万円くらいなんです。これは個人の感覚ですが、一般なら少なくとも25万以上はもらえると思います。
さらに彼らの講演は基本的には人類の健康に直結する内容です。当然一般のセミナー同様、当たりはずれはあるかもしれませんが、社会貢献に反映されやすい内容を国家資格を持っている人物が話すのです。
国家資格持ちのインフルエンサーが社会の役に立つ内容を無名講師と同レベルの賃金で講演しているといえば非常に安くは感じませんか?