最近ADCってたまに目にしませんか?
ADCはいま最も勢いのある
創薬テクノロジーなんですが、
実際に関わっていないとよくわからない!!
こんな人が多いのではないでしょうか?
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大事なことでも
関わらないと覚えられないの…
簡単に紹介すると
ADCは狙った場所に
高濃度で薬物を届ける技術です。
薬を届けたくない部分には届けず、
副作用を抑えることができますし、
届けたい部分には
高濃度で薬物を届けることができます。
人類が望んでいた
ドラックデリバリーシステムです。
と紹介はできるんですが、
これだけだと訳わかんない人がほとんどですよね!
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そこで今回はADCオタクMRである私が 抗体薬物複合体の構造、原理、そしてこの領域では重要な製品となるエンハーツについて、どこよりも詳しく解説しいたします。
本記事の効能効果
10分でADCの基本がわかる。
抗体薬物複合体の構造
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image.jpg)
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抗体薬物複合体は
名前の通り抗体と薬物の複合体です。
英語で書くとAntibody Drug Conjugateです。
頭文字をとってADCと略されます。
ADCは教科書的には
3つのパーツで構成されています。
- モノクローナル抗体
- 薬物
- リンカー
の3パーツです。
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【補足:当ブログの抗体関連記事】
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2020/05/1254bae9f2f4c9656780521cdeab116d-300x169.png)
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モノクローナル抗体の役割
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-1.png)
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まずはモノクローナル抗体です。
抗体はもともとB細胞が産生・放出する
タンパク質で、
本来は体内に侵入した病原体などの
異物(抗原)に結合し
無力化したり標識する働きがあります。
タンパク質名としては
免疫グロブリン(immunoglobulin) です。
Ig(アイジー)と略されます。
たまに生物学で見る「Y字」の物質です。
ADCにおいては標的組織まで薬を導く
道案内役としての機能を持ちます。
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イメージとしては
ミサイルを誘導するための
センサーシステムです。
抗体が狙った細胞&組織に
薬を導きます。
リンカーの役割
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-2.png)
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リンカーにはさまざまな物質が採用されますが、
基本の役割は
モノクローナル抗体とペイロードを繫ぐことです。
link-erと名前のまんまの意味ですね。
つなぎ役です。
実はリンカーの性質の差で
抗体に搭載できる薬物の数が変わります。
※DARという概念で後述します。
後述するエンハーツはこの部分がスゴいです。
なんとなく脇役っぽく見えるリンカーですが
ADCにおいて間違いなく主役です。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/517b4e57619372e3a9c848b5e930f395-150x150.png)
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ゼルダの伝説の主役
リンクと同じ名前の
由来ですからね。
リンカーに求められる仕事は下記2点です。
- 目的の場所まで切断されないこと
- 目的の場所では速やかに切断されること
血管内で切断されて
危険な薬物が解き放たれれば
大きな副作用につながります。
目的の場所で薬物をなかなか開放できなければ、
効果が弱くなってしまいます。
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リンカーはこれらの仕事を
高いレベルでこなします。
ただのつなぎ役ではなく、
性能を決める重要な
調整を担っています。
ペイロードの役割
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最後にペイロードです。
ペイロード…聴き慣れない名前ですよね。
積載物って意味らしいです。
抗がん剤において一般にペイロードには
- 副作用が強くて増やしにくい薬
- そもそも普通に使うと
毒性が強すぎて使えない薬
上記どちらかが選ばれることが多いです。
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ADCにすることで
副作用の減弱による
効果の増強や
毒性が強すぎて
使えなかった薬の
臨床応用が可能です。
ADCの構造小活
抗体と薬物(ペイロード)を結合させることで
薬物に対してモノクローナル抗体の
抗原特異性(特定の相手を狙って結合する性質)を
与えることに成功したのがADCです。
結果として血中に存在する
活性化した薬物量を少なくできるので
副作用を減らしたり、
より高濃度の薬剤を投与できるようになります。
また、効果が強く直接注射すると
毒性が強くて使えない物質であっても
適切な抗体とリンカーを用いることで
有用な薬物とすることが期待できます。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/517b4e57619372e3a9c848b5e930f395-150x150.png)
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既存の技術を組み合わせた
スーパーテクノロジー
それがADC!!
さらに、
なんとなく勘の良い方はお分かりかもしれませんが
ペイロードは必ずしも
抗がん剤である必要はありません。
栄養物質を選べば
理論上は特異的に栄養を送ることも可能です。
ただ現状困っている患者が多い
がん領域で開発が盛んに行われています。
薬物抗体比(DAR)
DARも薬効を判断する上で非常に重要な概念です。
DARはDrug to Antibody Ratio。
日本語訳すると薬物抗体比といいます。
一言でいうと、
一つの抗体に
いくつの薬(ペイロード)を搭載できるのか?
ということをを表しています。
DAR2は1抗体に2つ 、
DAR4は4つ、
DAR8は8つ搭載しています。
今のところ最大値は8です。
単純に数が多くなれば多くなるほど
薬効が強くなります。
8は4の倍ですし、4は2の倍です。
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倍の薬を積むんだから
当然よね!
しかし最近まで発売されている
ほとんどのADCのDARは2~4でした。
8が最大数ならば
全部8にすればいいじゃない?と思いますが、
実はそこが課題でした。
どんな課題かというと、
DAR8にすると薬効が落ちてしまっていました。
これは増えたリンカーの性質が干渉して
薬が凝集してしまうためと考えられています。
平たく言うと抗体たちが
くっついて絡んで塊になってしまいます。
こうなると、うまく仕事ができません。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/77e162ac9d02eee5a3b7ec5580a056ec-150x150.png)
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抗体から毛のような
リンカーが
たくさん生えた結果、
絡んじゃうイメージです。
※エンハーツのリンカーとペイロード部分
こんな物質が複数抗体に付けられるわけです。
引用:エンハーツインタビューフォームより
DAR8のより強力なADCを作るために
干渉ぜず凝集しないリンカーの開発が
長年の目標でした。
DARが4⇒8となれば
届けられる薬物の数が2倍に増えますからね。
その分、効果も期待できます。
DAR8の抗体薬物複合体は
大きな目標でした。(過去形)
そう!『でした!』
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後述するエンハーツが
この壁を破ります!
でもその前に
作用機序を紹介します!
抗体薬物複合体の作用機序
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-4.jpg)
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抗体薬物複合体の原理は以下の通りです。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-4.png)
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青い線は細胞膜
オレンジの点は標的分子
緑の点は薬物 を
それぞれ表しています。
薬効を示すまでのステップは
- ADCの抗体部分が
標的細胞の標的分子を認識して結合する - 結合したADCは細胞によって
細胞内に取り込まれる - 分解するための器官リソソームにより
ADCのリンカーや抗体が分解される - リンカーから切り離された
ペイロードが放出され薬効が現れる
基本的なADCの作用機序は基本どれも同じです。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/77e162ac9d02eee5a3b7ec5580a056ec-150x150.png)
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抗体の働きによって
選択的に狙った細胞に
取り込まれ、
リンカーが切断されることで
選択的に薬効を示します。
バイスタンダー効果
抗体の働きによって
選択的に狙った細胞に取り込まれ、
リンカーが切断されることで
選択的に薬効を示す…
これがADCメインの作用機序ですが
ADCタイプの抗がん剤の効果は
それだけにとどまりません!
狙った細胞の
近くにいるがん細胞にもダメージを与えます。
それが
バイスタンダー(見物人)効果です。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-5.png)
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薬効を発揮したペイロードは
標的細胞で仕事をした後、
周辺に染み出し、近くのがん細胞も破壊します!
え?でもがん細胞に特異的に反応するんだから、
そんな必要ないじゃん!と感じたかもしれません。
でもこれ非常に大事な効果です。
がん細胞は変異を繰り返す細胞ですので
標的タンパクを持っていないことがあります。
隣のがんは標的タンパクを持っていても、
その隣はその限りではないのです。
なので、そこに効かないと見逃してしまい
がん細胞を根絶できません。
ただ、幸いなことにがん細胞はバラバラなると
自死アポトーシスする性質を持っており
結果的にかたまっていることが多いです。
そこにバイスタンダー効果が刺さるわけです。
例え標的タンパクを持っていなくても、
近くに標的タンパクを持つがん細胞がいれば
一緒にやっつけられるわけです。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/77e162ac9d02eee5a3b7ec5580a056ec-150x150.png)
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爆撃で直接標的をやっつけ、
爆風で見物人もやっつける…
そんなスーパーシステムを
有するのがADCタイプの
抗がん剤です。
抗体薬物複合体(ADC)の一覧
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-6.jpg)
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現在日本で発売されているADCと
日本未発売で海外既発売のADCを
一覧表にしてみました!
コチラは適宜追加していきます。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/77e162ac9d02eee5a3b7ec5580a056ec-150x150.png)
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更新忘れなどあれば
ぜひ教えてください!
一般名 | 適応 | 販社 | DAR |
---|---|---|---|
ゲムツズマブ オゾガマイシン | 再発AML | ファイザー | 3以下 |
ブレンツキシマブ ベトチン | 再発HLおよび再発sALCL | 武田 | 〜4 |
トラスツマブ エムタンシン | HER2+転移性乳がん | 中外 | 3.5 |
イノツズマブ オゾガマイシン | 再発または難治性CD22+ B-ALL | ファイザー | 〜4 |
トラスツマブ デルクステカン | HER2+ 切除不能転移性乳がん | 第一三共 | 7〜8 |
ポラツズマブ ベトチン | 再発または難治性DLBCL | ロシュ | 3.5 |
エンフォルツマブ ベトチン | 局所進行または転移性尿路上皮がん | アステラス | 4 |
サシツズマブ ゴビテカン | 転移性トリプルネガティブ乳がん | ギリアド | 7.6 |
ベランタマブ ベトチン | 再発または難治性多発性骨髄腫 | GSK | 4 |
【こぼれ話】 余談ですが、ADC一覧表に出てきた薬剤の一般名後半は 全てペイロードとリンカーをくっつけた物質の名前です。 (オゾガマイシンとかベトチンとか) 最近開発されている薬剤に ベトチンが多く会社も多岐にわたることから ベトチンの特許は切れていることがわかります。
第一三共のエンハーツ:デルクステカンがすごい!
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-6-1.jpg)
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最後に日本でも2020年3月末に承認された
第一三共のエンハーツを紹介します。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/77e162ac9d02eee5a3b7ec5580a056ec-150x150.png)
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これは間違いなく
ADCの新時代を
つくる薬剤です。
期待の表れとして、
エンハーツは米国食品医薬品局(FDA)から
HER2陽性の転移性乳がん治療を対象として
優先承認審査を受けています。
エンハーツの一般名は
トラスツズマブ デルクステカン。
製品名はエンハーツ点滴静注用100mgです。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/912678c247d55652db97944ca6d47b58-150x150.png)
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/912678c247d55652db97944ca6d47b58-150x150.png)
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/912678c247d55652db97944ca6d47b58-150x150.png)
…一般名ながいわねぇ
噛みそうだわ!!
…デルク…ステカン??
前半のトラスツズマブは
モノクローナル抗体の名前、
後半のデルクステカンは
リンカーとペイロードである
カンプトテシン誘導体からなる物質です。
トラスツマブとデルクステカン
別々に特許が存在します。
なおトラスツズマブはハーセプチン(中外製薬製)
という名前で 製品化もされています。
さらにADCのカドサイラ(中外製薬製)も
同じトラスツズマブを使っています。
トラスツマブはHER2を標的とする
モノクローナル抗体として
確かな実績があります。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/90f80471d9f2632a5d72253a10468423-150x150.png)
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/90f80471d9f2632a5d72253a10468423-150x150.png)
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ちょっと汚い話すると
トラスツマブの
特許が切れたので、
第一三共が自社品の
デルクステカンを
くっつけて作ったのよ!
ちなみにHER2はハーツ―と呼びます。
これはエンハーツの名前の由来にもなっていて
Enhance(強化する)とHER2を組み合わせて
エンハーツと名付けられてます。
名前からして強そうですね。
HER2は細胞の増殖に関与する
とされるタンパク質です。
主に乳がん、胃がん、
大腸がん、肺がん、膀胱がんなどの
がんの表面に多く発現することが分かっています。
正常細胞よりも圧倒的に
上記がん細胞に多く発現するので、
これをターゲットにADCをつくると、
正常細胞と比べてがん細胞に
圧倒的多くの抗がん剤をとどけられます。
しかし、この点は
同じHER2-ADCのカドサイラも同じです。
エンハーツの特徴をもっとも表しているのは
DAR約8という数値と
それを可能にしたスーパーリンカー
つまりデルクステカンの部分です!
前述のとおり
DAR8はADCにおける技術的目標の一つでした。
そうです『でした』過去形なのです。
エンハーツはDAR8を
ついに達成した薬剤なんです。
【約】8であるのは作成途中で
はずれちゃう薬剤が出てくるためです。
それでもエンハーツのその精度は高くほぼ8です。
これは本当にすごいです。
DAR4と比べて2倍の薬物を運べるわけです!
その分、効果も期待できます。
エンハーツは8つの薬物を搭載しても
凝集しないリンカーが使われているうえ、
そのリンカーは血中で安定し
簡単には薬物を放出しません。
さらにがん細胞で多く発現している
カテプシンによって切断されるため、
非がん細胞に吸収されても
薬物リリースを起こしにくい特徴を有しています。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/517b4e57619372e3a9c848b5e930f395-150x150.png)
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/517b4e57619372e3a9c848b5e930f395-150x150.png)
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/517b4e57619372e3a9c848b5e930f395-150x150.png)
リンカーの性能がスゴいです。
とんでもないリンカーが搭載されています。(興奮)
さらにペイロードのカンプトテシン誘導体ですが、
カンプトテシン自体は1966年には
構造が明らかになっている古い物質です。
明らかな抗がん作用を有しています。
単体では毒性が強いため、
性能を引き出すために数々の誘導体が開発されています。
エンハーツに使われている
カンプトテシン誘導体は
類薬(トルデルヴィに採用されている)の
約10倍の効果を有するとともに、
万が一血中に解き放たれた場合のために
血中半減期も1.5hと短く設計されています。
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/77e162ac9d02eee5a3b7ec5580a056ec-150x150.png)
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そもそもがん細胞以外では
リリースされにくいのに、
仮にリリースされても
早急に消失する訳ですね。
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細かい工夫が詰まっているわね
デルクステカンテクノロジーがすごい
ここまで聞いていて直感の良い方は
あれ?すごいのエンハーツじゃなくて
デルクステカンじゃない? と感じましたよね!
その通りです!
エンハーツはデルクステカンの
スーパーリンカーシステムにて成り立っています。
そしてデルクステカンは第一三共の特許物質です。
新規開発した抗体や特許の切れた抗体に
デルクステカンを結びつけるだけで
新製品の種が出来上がります!
事実、第一三共は2021年7月現在
エンハーツの他に
- DS-1062
- U3-1402
- DS-7300
- DS-6157
- Ds-6000
- DS-3939
という6つのデルクステカンADCを開発中です!
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2022/10/912678c247d55652db97944ca6d47b58-150x150.png)
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デルクステカン半端ないって!
まとめ
![](https://www.mr-net.info/wp-content/uploads/2023/03/image-6.png)
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抗体薬物複合体。いかがだったでしょうか。
今回は紹介を避けましたが、
実はまだまだ課題のある技術です、
しかしながら、
その課題はエンハーツの様に
確実に解決されています。
ADCの躍進はこれからも続きそうですね!
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本当に夢のある技術ですよね。
都度追記:日本発売
2020/05/25本邦発売されました。
承認時薬価は100mg1瓶16万5074円。
ピーク時に129億円の売り上げを見込む模様です。
直感的には129億というのは少ない気がします。
追適でどこまで拡大するのか見ものですね。
2023年:とんでもない追加適応症と売上を上げ始める
積んでいる抗がん剤の毒性が高く
特異性も高いおかげで
バイスタンダー効果が
とんでもない仕事をしてまして
HER2が少しでもあれば、とっかかりになって
がん細胞に効果を示す…
というとんでもない結果を示し始めました!
同じHER 2ADCのカドサイラにも
大差をつけての圧勝!!
適応症も
2023年3月の段階で3つに増えました!
- 化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌
- 化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌
- がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌
ピーク126億円って予想した人誰だよ…
2023年3月期で2400億円超えるじゃねーかw
![](https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/22/11/07/10125/dsc3.jpg)
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