


- 文系でもMRになれるのか
- 文系でもMRとしてやっていけるのか?

MRは文系でもなれるのか?
結論から言いますと大丈夫です!なれます!安心して下さい!
製薬メーカーや採用年度の差はあれど、基本的なMRの採用人数は以下のどちらかです。
- 薬卒50%、理系25%、文系25%
- 薬卒33%、理系33%、文系33%

薬卒も理系と考えると全体としては7割程度は理系、文系が3割といった構成です。
全国の営業所に管理薬剤師を配置しなければならないという制度的な側面がありまして、どうしても一定数の薬剤師が必要です。
そう言った意味では通常の会社と異なり薬卒が採用されやすいです。
薬剤師比率が高くなってくれば調整のために比率が落されることも考えられますが、MR→薬剤師の転職も一定数ありますので薬剤師が多くなりすぎるという印象はありません。


そしてよくよく見ると理系と文系の採用人数はほぼ同じです。
MRに必要な能力は
- 情報を適切に紹介すること
- 顧客に情報を聞きたいと思わせること
この2点です。
この能力には基本的に文理は関係ありません。
自信をもって採用試験に挑んでもらいたいと思います。

文系でもMRとしてやっていけるのか?


過去記事:『MRになるための必須資格と学歴、求められる学力や素養について解説します』でも触れましたがMRは対人業務です。
機械を相手にする仕事では有りません。
したがって、必要な素養は相手の話を聞ける力、情報を正しく伝える力と差別化能力があるか否かという点に集約されます。
その他にも目標達成にかける意識とか一人で営業する仕事なので自己管理力はあるか等が求められますが、どれもこれも文理関係ないものばかりです。
MR業務は文理関係ない仕事だと言い切っていいと思います。
文理の差

そうは言ってもお薬を売るのだから違いあるんじゃないということも考えまして、
学生時代に学んだことで得られる恩恵を少し考えました。
文系のメリット

マーケティング知識
営業なのでマーケティング思考は直結します。
数々のモノを売るための理論がありますが、知って使えると強いです。
MRの本質は営業です。
気合いも重要ですが再現性高く行うには理論が大切です。

英語を話せる
英語を話せると出世しやすくなります。
英文学部とかだと少し有利かもしれません。

もちろん学部関係なく話せれば最高です。
あとバリバリ英字文献読んでいたりするとかっこいいし、情報入手方法が多角化されるので強いです。
しかし、ここ10年でかなりグローバル化が進んでいるので遠からずできて当たり前の時代がやってくると思います。
入社時に少々英語ができる位でアドバンテージになる期間はあまり長くないかもしれません。
入社してからは勉強する時間の確保が難しいことも考えられますので、
入社前にTOEIC730点くらいとっておくと将来的に楽だと思います。
・関連記事:製薬会社社員・MRに英語は必要か?
英語学習で個人的におススメなのはオンライン英会話です。
TOEICと並行して行うといいと思います。点数だけ高くても話せないと意味ないですしね。
大体6000円~7000円くらいで授業受け放題のプランが存在します。
私もやっていますし、時間のある学生時代こそ絶対にやるべきだと思います。
お金がない!!という方も
もし、携帯代で10000円以上消費している様でしたら絶対に楽天モバイルに変えて
浮いたお金をオンライン英会話に回すべきだと思います。
楽天モバイルの金額とおススメのオンライン英会話については以下をご覧ください

顧客に情報を聞きたいと思わせる力が高い
これは個体差が大きい力ではありますが、
個人の意見としては『顧客に情報を聞きたいと思わせる』というMRに最も必要な力の一つは文系のほうが強い傾向があると思います。
後述しますが、理系ってオタク気質な人が多いんですよ…自分の世界が好きなんです。
私も含めてですが…コミュニケーションよりも真理に視点が傾きがちな人が多いと思います。
文系の人って文化を専攻しているだけあって、この辺の力が全体的に高い気がします。

理系のメリット

統計データの理解ができる点
MRが用いる紹介データは当然、統計解析や検定がなされています。
知らなくても、まぁ何とかなるのですが、知っているとデータへの信憑性が増します。
Χ2乗検定とかカプランマイヤーとか意味が解らない文系は多いかと思いますが、
なぜそれが使われたのかわかるとデータ理解の助けになることがあります。
最低限の統計知識は間違いなくMR業務に役立ちます。

当ブログにも簡単な解説をご用意しています。

作用機序や相互作用等、全身への影響をイメージしやすい
理系は知識の種類が生物系や物理系に偏っているため、薬学知識を吸収しやすいというメリットがあります。
既存の知識と紐づけて覚えることができるので知識の吸収スピードは文系と比べて早いと思います。
あと理系って前述のとおりオタク気質な奴が多いですからね!
生物オタクって遺伝子の意義とかで半日語ることが出来たり、考えすぎて哲学的になって『体は遺伝子の乗り物』っていう哲学的な領域に近づいて行ったりします(笑)
そして化学オタクは電子軌道から『水素H2とヘリウムの原子量はほぼ同じであるにも関わらずヘリウムの融点は-272.2℃、水素の融点は-259.2℃とヘリウムの方が低いが、なぜか?』という疑問を考察することに喜びを感じたりします…
物理オタクに至っては頭の中がどうなっているのか想像もつきません。
この辺の物事に対する興味の違いは知識の吸収スピードに差をつけるかもしれません。
吸収は確かに速いかもしれませんが、それでも継続的な努力にはかないません。
しっかり学べば2~3年もすると文系出身MRも同じような吸収スピードになります。

努力の前に知識差は簡単にひっくり返る

大学で学んだことは4年間です。
MRで必要な知識は長い社会人人生のなかでひっくり返るものがほとんどです。
大学4年間の文理の差など関係ありません。入社後の努力が重要です。
長期の導入研修がある

実際、こんな人もいらっしゃるのでは無いでしょうか?でもご安心ください!!
新卒で入ったMRには4~6か月の長期にわたる導入研修があります!
この研修では公益財団法人MR認定センター*1が行っているMR認定試験に受かるための4科目と自社品知識を叩き込まれます。
ちなみに昔は6科目ありました。最近統合再編成されて3科目4テキストに変わりました。
★MR認定試験3科目4テキスト一覧
- 医薬品情報
- 疾病と治療(基礎)
- 疾病と治療(臨床)
- MR総論
MR認定試験は医師の前に行くのだから最低限これくらいは知っておきましょうという試験です。
6か月ちゃんと勉強すれば95%は受かる試験です。

ちなみにこの研修ってすっごいコストがかかっていまして
基本給:22万×6か月=132万
さらに滞在費、食費、会社、講師陣の費用、研修部社員の給料、場合によってはボーナス…etc.
非常に高額なお金がかかります。

あとがき
このように会社は文理問わず新人には多くのコストをかけ教育を行います。
もしMRになった際には会社に感謝して存分に勉強し、MR認定試験を余裕で合格することを目指してください。

営業に関しては文系の人でも大丈夫です。
はっきり言えます。現場はMRになってからの努力を評価しています。
結局は真摯に顧客の求めるニーズは何か?考え続けることが大切です。
MRになって一緒に考え続けましょう!!
