MRのつらい点ってどこですか?
MRってツライって噂、聞きますよね。
営業ですからそんな噂が立つのはわかります。
今回は出来の悪いMRだった私が今振り返って、つらかったこと、失敗談、案外つらくないことをご紹介させていただきます。
MRをしていて、つらかったこと・失敗
無駄な会議が多い事
これは現在進行形ですが、内資系メーカーあるあるだと思います。
会議ではなく報告するだけの報告会が月一で開かれます。正直メールで十分伝わる内容も多いのですが、これまでの慣習で継続されています。要点だけ絞れば小一時間で終わる内容を一日かけて聞いているのは中々しんどいです。
営業車を一台廃車にした事
これは新人時代にやらかしました。雨の日に飛ばしすぎて高速道路でスリップ!!ガードレールに正面から突っ込みました。
本当にこの時は時間がゆっくりになりました。
奇跡のブレーキングテクニックでエアーバックが発動しないくらいには減速したのですが、ガードレールに弾かれ停車した時に聞こえてきたのは「プシュー」という異音…慌てて営業車の外に出ると、後ろに一台の車がハザードを焚いて停車。
なんと乗っていたのは当時の所長。
特約店訪問の時間だった為、知らず知らずのうちに私が抜き去り事故の一部始終をみられておりました。特約店のそばであったこともあり、多くの他社MRにも事故現場を見られ馬鹿にされる上、数か月たった後も、一部だけ真新しいガードレールとなっており記憶がよみがえる事件となりました。
この時から安全運転になったよね。愚者は経験しなければ解らない。
企画した講演会に想定以上に人が集まらなかった事
これもやらかしですね。題の通りで全く人が集まりませんでした。
演者の先生と座長の先生の顔を大きくつぶし、演者の大学担当にも迷惑をかけました。私の生来のネゴシエーション力と根回し力の悪さが招いた大参事です。
今思い出しただけでも胃袋に穴が開きそうです。
これは経験しなくても良い失敗だったと今でも後悔します。講演会は一定の集客を担保しなければ行ってはいけないと肝に銘じております。
皆さんは同じ轍を踏まないでください。
採用直前の新薬がフォロー不足により競合が採用になってしまった事
これもやらかしパート3です。
当時、同成分二銘柄で発売する薬がありました。
同成分二銘柄って製薬業界における顧客志向のシステムではないものの代表だと思うのですが全く同じ薬を同時に別の会社が別の商品名で売り出すというものです。中身は同じのAとBという薬が同時に出てきます。
これってMRは非常に大変です。
中身は全く同じなのでMRの人間力でしか差がつかないからです。この時は全体では圧勝だったのですが、1軒、No3の市場先にて採用直前まで進んだにも関わらず、勝負が見えたと油断しNo4、5、6へリソースを集中したため、直前で逆転されました。
本当にバカだったと思います。
最終的には3年かかって取り返せましたが、その間、大体500万円くらいの売り上げを損失したことになります。 仕留めるまでは気を抜いてはならないといういい教訓になっています。
こっちはちゃんと教訓になってるよね。
会社の飲み会翌日の特約店朝礼
これは個人差大きいと思いますが、私はアルコールの分解は遅いです。
今でこそ、遅いことを理解していますので翌日を考えアルコールのセーブをしますが新入社員のころは先輩に言えず、翌日が朝礼にも関わらず深酒をしてしまうことがありました。
当然、翌日は死ぬほどつらいのですが、7時前には家を出なければなりません。這うようにして特約店に行っていましたが、朝礼前に飲み会をセッティングした幹事には殺意すら覚えたこともあります。まぁ今思えば自己管理不足なんですよね。
新入社員の皆は遠慮せずに先輩に相談しようね
期末の数字を作るため薬局にお願いに行く事
営利会社にとって企業価値の向上が使命ですので株主との約束は非常に大切です。その約束は最終的にはMRの売り上げ計画という形で現れてきます。
3、6、9、12月は内資メーカーにとって計画チェックのタイミングになりますので計画に達していない場合は得意先に余分に薬をかってもらって数字を達成させなければなりません。これは企業価値の向上には非常に大切なことです。
ただこれってマクロな視点で見るとそうなんですがMR個人のミクロな視点で見ると来期の売上を前借して、問題の先送りを行っているに過ぎないんですよね。得意先は多く薬を買ったところで処方を増やすわけは有りません。患者志向で考えれば関係ありませんから。
簡単にそれぞれのメリット、デメリットをまとめると
得意先メリット
- 特約店が協力してくれた場合の値引き。
得意先デメリット
- 多くの在庫を抱えることになる。
- 湿布薬等の大きいものはスペースをとる。
- 支払い金額が一時的に増える
MRメリット
- 会社から怒られない
MRデメリット
- 交渉する精神的負担
- 問題の先送りによる不安
- 精神的負担による生産性の低下
会社メリット
- 株価の信用がえられる。
会社デメリット
- 薬価が落ちる要因となり長期的には大きな影響を与える。
全体的にデメリットばかりですよね。
さらに何かを生み出す生産的な仕事では有りません。まぁ本質が誤魔化す為にやってるので当然だけども…
個人的に良くないなと感じているのが、精神的負担による生産性の低下です。MRは医師に対して提案&交渉をする仕事ですが、その時に大きな精神力を使います。特に気合をいれて提案するときはさらに大きな精神力を使います。
精神的負担がつよくなると、医師と提案&交渉する精神力が残りません。数字の詰めが多い会社では期末に「あれ?なにしてんだろ俺?」となっているMRは多いと思います。
デメリットが多いと分かりながら続けるのってしんどいよね。
案外つらくないこと
顧客に怒られること
意外かもしれませんが、これは慣れていきます。失敗により顧客を不快な感情にすることは当然避けるべきですが交渉する上で、あえて聞きにくいことを聞かなければならず相手を怒らせてしまう場合があります。
営業していく上で、全く相手を怒らせないというのはまず無理だと思いますので攻めた結果、怒られることは仕方ないというマインドが醸成されていくのでしょう。
結果、慣れてきてそこまでつらくはなくなります。こういう時の為に上司はいます。存分に謝罪してもらいましょう。
顧客の無茶ぶり
多くの急な要求は顧客からの期待の表れであることが多いので
私は全くつらくは有りませんでした。スケジュール乱されるのを嫌う人はツライかもしれませんが、期待されていると思うとうれしいですし
レギュレーション上、実施が難しい場合も代案を用意して交渉に行くのは楽しいものです。
宴会芸
これも時代の変化で大分、減ってきている内容ですが忘年会、新年会時のMRによる宴会芸は現存します。たぶん新入社員のころはツライと感じる人も多いかと思いますがこれも仕事だという覚悟と回数をこなす慣れで全くツラくなくなります。
どうやって一番目立とうかと考えるように変化しますのでご安心ください。
終わりに
書いていて気づきましたが
意外とつらくないことって、慣れで何とかなることがメインで、つらかったことって、失敗や意味がないと分かっていながらやらなきゃならないことですね。
正直、どんな仕事でも組織に属する以上、同じような事があると思います。そして、なにより生死にかかわる医師の方がつらいと思いますよ。営業してて本当にそう思います。
私の失敗談や感想を読んで「MRってつらい?」という恐怖心が薄れましたら幸いです。
なんとかなりそうでしょう?