皆さんこんにちは
医薬品産業の波間に生きるチクチクです!
この1ヶ月医薬品産業は一人の男によって大きく動いております!
ドナルド・トランプ!!!
まぁ医薬品産業だけでなく、世界が彼に振り回されています!
しかしながら話題が多い!多すぎげてなかなか彼の本意が見えてこないんですよね。
多すぎて情報の波に飲まれてしまう感じ…
4月15日の大統領令と関税政策で
薬価抑制と国内製造回帰を狙っているのは間違いないんだけど
他はどうなの?細かい内容どうなの?って気になりませんか?
GWだけど4/15の大統領令はちゃんと理解しておいた方がいいと思うので、まとめておきます。多分、5月から一気に変わっていくと思われる…
— チクチク@製薬ブログ (@mrnetinfo) April 28, 2025
ざっくりいうと「薬の値段をグッと下げる!」ためのビッグな計画です🤮それがとんでもないスピードで展開されそうです🤮🤮🤮
1:過去の成功を再び!… pic.twitter.com/3eCj9sDo5V
なので今回は彼の医薬品産業に関する発言&大統領令を調べ
テーマごとに分類することで
彼が何を考えているのか?
探っていきたいと思います。
手法

方法は以下のとおりです。
- 調査期間:2025年1月1日ー4月28日
- 演説、インタビュー、SNS投稿、記者会見を調査し医薬品関連の発言をリストアップ
- テーマごとに分類
- 4月15日大統領令は個別に解説
なんのことはありません!
簡単なネットの海の調査です!
問題は単なる体力勝負なだけですw
超絶疲れるまとめ作業🤮🤮🤮

ここから彼の考えを考察していきたいと思います。
それでは、私の時間の結晶をご覧ください!
トランプ大統領の医薬品産業関連発言内容まとめ


今回の調査から分かったことを簡潔にまとめると…
- 薬価に関連するゆがみをなくす
- 関税を使った国内製造インセンティブ
- 違法麻薬(フェンタニル)も終わらせる!
この3点です!
個人的にはフェンタニルの視点はなかったので、調査してよかったな…と思いました。そして薬価抑制と国内製造インセンティブ…これは難しいぜ…日本がやっている薬価抑制とドラッグラグロス解消と似たものを感じます。
ただ、最初は薬価抑制のみと思っていましたが、
実際はゆがみの是正が目的ですね。
不当に儲けることは許さない!というポリシーですね。
既得権益の破壊的な?
正直批判しづらく
ちょっと印象変わりました!



それではまとめた発言内容を見ていこう!
薬価抑制と国内製造インセンティブ
すでに大統領令で方向性自体は見えているのですが
発言を振り返ることで
根幹となる部分も見えてきそうなので
まずはここからいきます!
2025-02-25:Fact Sheetの発言
“Our goal was to give patients the knowledge they need about the real price of healthcare services. They’ll be able to check them, compare them, go to different locations, so they can shop for the highest-quality care at the lowest cost. And this is about high-quality care. You’re also looking at that. You’re looking at comparisons between talents, which is very important. And then, you’re also looking at cost. And, in some cases, you get the best doctor for the lowest cost. That’s a good thing.”
引用:Fact Sheet: President Donald J. Trump Announces Actions to Make Healthcare Prices Transparent
患者のみんなに、本当の医療費を知ってもらう――それが俺たちのゴールだ。
患者は値段をチェックできる、比べられる、いろんな場所を選べる。最高の医療を、最低のコストで手に入れるためにな!これは「高品質の医療」がテーマなんだ、いいか?
才能あるドクター同士を比べることもできる。これ、すごく大事だぞ。
それに、コストもちゃんと見られる。そして、なんと――最高のドクターを、最低の値段でゲットできる場合もあるんだ!素晴らしいだろ!
簡単にいうと医療の透明性向上と
コストパワーバランスの是正が目的ですね!
このコンセプトのもとに薬価改革も進んでいると感じました!
これが本当にコアの部分だと思います!



ドクターごとの能力比較とか
今後出てくるかもしれません。
2025-04-15 大統領令
さぁ問題の大統領令です。
今回の記事の作成時間の大半がここです!
知らないことばかりで辛かった…
大統領令は全部で14セクションあるのですが、実際の実施内容自体は11です。
それぞれみていきましょう。
テーマはゆがみの是正です!



まずは概要から
テーマ | 主な内容 |
---|---|
Inflation Reduction Act(IRA)の改善 | ①Medicare薬価交渉プログラムの指針を透明化し、高コスト薬を優先選定。 ②Part D保険料の安定化策を大統領へ提言。 ③小分子薬とバイオ医薬品の扱いを均一化(“pill penalty”是正)。 |
高額薬の支払モデル試験 | Medicareが高額薬・バイオ薬をバリュー志向で購入できる新支払モデルを設計・試験。 |
病院取得原価に基づく支払調整 | 病院外来部門の薬剤取得コスト調査を実施し、支払を適正化(予算中立)。 |
Medicaid薬価・バリュー連動 | 正確なリベート徴収とバリュー連動型支払を推進し、州を支援。 |
低所得者への必須薬提供 | 340B価格+手数料でインスリン/エピネフリンを提供することを保健センター助成の条件化。 |
サプライチェーンの競争性向上 | 中間業者(PBM 等)を含む流通構造を競争的・透明・強靭化する提言を策定。 |
ジェネリック等の審査迅速化 | FDAがジェネリック・バイオシミラー・2番手ブランド・OTC転換を加速する行政・立法案を報告。 |
薬品輸入拡大 | 州政府が安全に低価格薬を輸入できるよう、セクション804プログラムを簡素化。 |
投与場所コスト是正 | 病院外来へのシフトを助長する支払構造を是正し、診療所での低コスト投与を維持。 |
PBM報酬の開示強化 | 雇用主プランの受託者に対し、PBMの直接・間接報酬を透明化する規則案を提示。 |
製薬企業の反競争行為抑制 | DOJ・FTC等と合同ヒアリングを行い、競争阻害行為の是正策を提案。 |
Inflation Reduction Act(IRA)の改善
これ!かなり大事なので重点的に掘っていきます!
製薬社員必見です!
ここだけでもみてほしい!





導入時のショックは
過去記事を参照ください!
そもそも IRA の薬価交渉制度とは
- Medicare(高齢者向け公的保険)が製薬企業と「最大公正価格(MFP)」を交渉できる権限を新設。
- 対象になるのは発売から
小分子薬(錠剤・カプセルなど)は 9 年後
生物学的製剤(バイオ薬)は 13 年後 - 高コスト薬を順に選び、MFP を Part D 保険(外来薬)に適用して自己負担を下げる仕組み。



ただIRAの対象となる
小分子と生物学的製剤の期間差にはゆがみがあると
指摘されていたんだ!



地味に4年差ってでかいよね?
ピル・ペナルティが生んだゆがみ
この4年の差をピルペナルティと呼んでいます!
これによる悪影響は主に3点挙げられていて、以下のとおりです。
観点 | 影響 |
---|---|
研究開発インセンティブ | 9 年で価格統制が始まる小分子薬は「投資回収期間が短い」。企業は 注射型バイオ薬へ資金シフトしやすくなる。 |
患者アクセス | バイオ薬は価格が高く、投与も通院・注射が必要。飲み薬の革新が鈍れば 安価で服用しやすい治療選択肢が減る。 |
財政効果 | 急ぎすぎた交渉対象選定で交渉プロセスが複雑化。Part D 保険料が上がる恐れが指摘されている。 |



歪みが研究開発に悪影響与えるとか日本みたいね
大統領令が示す「IRA 改善」3 本柱
これに対して対策は以下3点です!
改善策 | 具体的措置 | 期待される効果 |
---|---|---|
ピル・ペナルティ解消 | 小分子薬もバイオ薬も 同じ年数で交渉対象に── 13 年を軸に議会と制度改正。 | 飲み薬への投資回収機会が確保され、経口新薬 R&D が継続。 |
透明性アップ | 60 日以内 に HHS がガイダンス案を公表し、交渉薬選定基準や手続きを 公開。 | ステークホルダーの合意形成が進み、市場の予見性が向上。 |
高齢者の保険料抑制 | 180 日以内 に Part D プレミアム引き下げ策を大統領へ提言。 | 交渉制度のコストが保険料高騰に跳ね返らないようにする。 |
ん?と思った方いますよね?
小分子薬もバイオ薬も
同じ年数で交渉対象に
13 年を軸に議会と制度改正。
なんと製薬メーカーに
メリットのある改定です!
IRAの改訂と言っているので
薬価抑制策だけかと思いきや
ゆがみがあれば是正する
なんとも真っ当な改訂…
ただ日本の薬価制度で品性を捻じ曲げられ、
簡単に製薬メリット改訂を信じられないチクチク
いや、皆さんも思いますよね?
9年に合わせるんじゃないの?って
なので詳しく掘ってみたのですが
大統領令の文言も小分子をBIOに合わせるだし
すでに上下院に提出されている
EPIC 法案も13 年で統一 されている様子…
amended by striking ‘‘7 years’’ and inserting ‘‘11 years’’.
7年を削除して11年を挿入と書かれていますが、
これに2年の薬価交渉期間を加えて
9年→13年になります!



今のところは
小分子の開発にとって
メリットと受け取るべき…



薬価抑制だけとか思って
すみません…
高額薬の支払モデル試験― “薬代が高すぎる”という現実
CAR-Tや遺伝子治療は 1 回 数千万から1 億円超します。これが保険財政を圧迫し、患者自己負担にも跳ね返っています。
しかしながらIRA による薬価交渉は前述のとおり発売から 9・13 年以上経った薬が対象のため、“最新かつ超高額”な薬は対象外です。
→ そこで大統領令が 「別軸の支払モデルを1年以内に試験せよ」 と言っているわけです!



日本の費用対効果制度や
再算定制度に相当するものを
支払いシステムとして発動するわけね


どんなモデルを試す?
モデルは CMMI(センター・フォー・メディケア&メディケイド・イノベーション) の法的権限を使い、小規模に試して良ければ全国へ拡大する流れです。
2023年にすでにIRAを保管するモデルとして3つの支払いモデルが報告されています。
大統領令は これを Medicare Part B/Part D 向けに拡張し、対象薬を“高額薬全般”へ広げることを想定しています。
モデル名 (通称) | どんな薬に効く? | どうやって安くする? |
---|---|---|
「2ドル薬リスト」モデル (Medicare $2 Drug List) | 高齢者保険 Part Dでよく使う後発薬150品目(高血圧・糖尿病など) | 参加プランがリストを作り、自己負担を一律“月2ドル”に固定。服薬続けやすくして医療費全体も抑える |
CGTアクセスモデル | 1回数千万円~の細胞・遺伝子治療(CAR-T など)、対象はMedicaid | CMSが州を束ね、“効けば払う”成果連動契約+分割払い。州財政を守りつつ患者に提供 |
ACEモデル (Accelerating Clinical Evidence) | Medicare Part Bの迅速承認薬(抗がん剤など) | 確認試験が遅れた薬は病院への支払いを段階的に減額。メーカーに早期データ提出を促す |



後発品は定額で!費用対効果を意識したシステム!
こんな感じですかね
病院取得原価に基づく支払調整
これは非常にわかりやすくて、340B病院(製薬会社から 外来用医薬品を平均 25〜50%引きで購入できる)などは製薬会社から 大幅割引で仕入れるため、実際の取得原価と支払額の差が拡大している…
つまり保険の過払いが起きている
ということで- 180日以内に HHS(保健福祉省)が全国の病院に取得原価調査を実施
調査後、支払額を原価に合わせる調整案を提案するというものです。



これも制度のゆがみを是正するタイプですね
Medicaid薬価・バリュー連動
メディケイドにおいてメーカーは「薬価の一部を州に払い戻す(リベート)」ことで自社薬で扱ってもらっていたわけですが、近年リベート計算を巡る「価格の過小申告」「薬の分類ミス」問題があったみたいで、これを是正することが目的の一つ。
さらに「効かなかったら値引き/成果が出たら払う」ルールを作り「払うべき割引はきっちり取り、薬の値段は“効果次第”で決める」体制を作るのが目的。



これも費用対効果を評価していこうという流れですね
低所得者への必須薬提供
これもゆがみの是正です。
330(e) Community Health Centers(CHCs)っていう低所得層を診る連邦助成クリニックがありまして、330(e)助成金をさらに受けています。
そしてCHCsも340Bプログラムでインスリンやエピペンを半額以下で仕入れられます。しかし必ずしも患者にその値段が転嫁されていないとの指摘がありました!
つまりお金のない人に売るために特別に安く仕入れているのに、そこそこ高く売って儲けているんじゃね?ってことですね!
なので低所得患者対象のインスリンやエピペンに関しては「340B価格+最小の手数料で提供する体制」を今後の330(e)助成の条件としよう!という内容です。



あれ?なんかまともな改革が多い?
サプライチェーンの競争性向上
まずこの内容を知る上で大切なのが医薬品のサプライチェーンを司るPBMです!
米国の PBM(Pharmacy Benefit Manager/薬剤給付管理会社) は、健康保険の “薬担当” を一括して請け負う存在です。
保険者から委託を受けると、まず加入者の処方請求を IT システムで処理し、薬局への支払いを計算します。同時に「フォーミュラリ」と呼ばれる推奨薬リストを作成し、そこで使う薬の順位づけや事前承認ルールを設計します。
メーカーは自社薬を有利に掲載してほしいため、PBM と値引き交渉を行い、リベート(後払い割引)を支払います。
しかしながらここにもゆがみがありまして、処方せんの約8割、年間およそ66億件分を3社
エクスプレス・スクリプツ(30%)、CVSケアマーク(27%)、オプタムRx(23%)が処理しマージンを受け取っており、さらに実質的に価格決定権を握っています。
余談ですが調査によると、この体制の下で大手PBMが系列薬局を通じ、わずか2種類の抗がん剤だけで3年足らずの間に約16億ドルもの余剰収益を上げていたことが判明しました。


独占が進みブラックボックス化した中間マージンと供給リスクが価格高騰と不足を同時に招いているとトランプ氏は考えているわけです。
なので大統領令 は、PBMの手数料・リベートの全開示やスプレッド価格の禁止などを通じて“取りすぎ”を抑え、輸入ルート多様化で供給を安定させることで、この負の連鎖を断ち切ろうってわけですね!
具体的には
- PBMの手数料・リベートの流れを全面開示し、価格決定を透明に。
- 州や連邦レベルのライセンス制・データ報告義務を後押しし、寡占による値上げ圧力を緩和。
- PBMが薬局に支払う価格より患者請求が高い “スプレッド・プライシング”を禁止してクロー・バック規制(払い戻し)を検討し、患者・薬局ともに適正な支払いを確保。



こんなことをして、
PBMに流れていたお金を患者に還元しよう!
という考えみたい
ジェネリック等の審査迅速化
FDA は現在、ジェネリック審査(ANDA)の中央値を約21〜23 か月で回していますが、四半期末には1500件超が積み残しになっています。
この遅さの主因は、開発会社が複数回の「審査サイクル」を経て同じ資料を何度も出し直す構造にあります。なのでこれをよりスマートにして迅速にしようぜ!という内容です。



後発の審査が遅れると
それだけ薬価さがるの遅れるからね
- ジェネリックとバイオシミラーの承認サイクル短縮(審査重複の削減、事前相談の標準化、複雑製剤ガイダンスの迅速更新など)
- コンビネーション製品や“セカンド・イン・クラス”新薬の審査パスを簡素化(吸入デバイス、オートインジェクター等を含む)
- OTCスイッチの高速化(ACNUルールを活用し、薬局で直接買える薬を増やす)
ACNU ルールとは
処方薬を店頭薬に切り替えるには「セルフかつ安全に選べて正しく使える」という条件を満たす必要がありますが、高リスク領域ではこのハードルが高くスイッチが進みませんでした。
2024 年 12 月の規則で FDA は 「ACNU(Additional Condition for Nonprescription Use)」という新制度を導入し、デジタル問診や薬剤師の確認を“追加条件”として設定できるようにしました。
これにより、従来はラベルだけで判読させるのが難しかった経口避妊薬、抗ウイルス薬、喘息救急吸入薬といった領域で “処方せん不要&条件付き” での販売が可能になります。
企業は ACNU を組み込んだアプリやチェックリストを提出し、ユーザーテストで自己判定が機能することを示せば、OTC スイッチ審査の義務である「一般用としての適切な使用説明」を大幅に簡素化できます。


薬品輸入拡大
米国では同じ薬でもカナダの方が3~5割安いことが珍しくありません。というか米国が異様に高いんですよね。
ただそれならば、この価格差をそのまま取り込もうという仕組みがありまして、それが 「セクション804」)の州向け輸入プログラムです。
2020 年に制度が正式化されましたが、申請書類や安全テストが煩雑で、州が FDA の承認を得るまでに何年もかかるのが実情だったみたいです。


実際の運用状況としては、2024 年1月、FDA は初めて フロリダ州 の輸入計画を承認しています。
フロリダはカナダ産の喘息・糖尿病・HIV治療薬などを州の医療プログラム向けに調達し、初年度に最大1億5千万ドル(約230 億円)の節約を見込んでいます。





鬼やすくなってる!
なので今回の大統領令では
- 申請様式や品質試験の共通テンプレート化
- 審査部門の専用ワンストップ化
- 州とカナダ当局の調整ガイドライン整備など
簡単にいうと「州が安全性を確保しつつ、よりスムーズに承認を取れる道筋」を示すよう指示しています。
要はフロリダで実績が出たら、次の州はもっと簡単にというロードマップづくりです。



ただカナダの国内需要を圧迫する恐れもあるみたいで
カナダは懸念を示しているみたいですね。
投与場所コスト是正
アメリカでは、同じ注射や診察でも、どこで受けるかによって医療費が大きく変わるというおかしな仕組みがあります。
たとえば、ある薬を街のクリニックで打つと 1 万円くらいなのに、病院の外来(HOPD)で打つと 1 万 7 千円かかる、なんてことが実際にあります。
これは病院が“施設使用料”という追加料金をとれるからです。その結果、病院の方が儲かるので、クリニックを買収して治療を病院に集めようとする動きもあります。



ここまで読んでもらったらわかると思いますが
ゆがみ大っ嫌いマン、
トランプ大統領の嫌いそうなことですねw
なので大統領令で
- 街のクリニックと病院で同じくらいの支払いにする方法を調べる
- 必要ならルールを変えて、わざわざ病院に誘導されないようにする
この2点を行うことを命じたわけです!



…マトモだぜ
PBM報酬の開示強化
前述のPBMのブラックボックスの開示の流れの一つです。
現行ルールでは、雇用主(健康保険を提供する企業)や患者が「PBM がいくら取っているか」「値引きが本当に自分の薬代に反映されているか」を詳しく知る仕組みがありませんでした。
そこで大統領令は労働長官に対し、180 日以内に 労働者の健康保険を管轄するERISA法を使って、PBM が受け取るすべての直接・間接報酬を雇用主に開示させる新ルール案を作るように命じたわけです。
開示が義務化されれば、雇用主は「PBM の取り分が高すぎないか」「社員にとって本当に得な契約か」をチェックして交渉し直せるようになります。
また、情報が世に出れば政府や研究者も比較できるため、薬価全体を押し下げる圧力が強まると期待されています。



とりあえずPBM3社の株価は大丈夫?
製薬企業の反競争行為抑制
アメリカの薬が高いままになる原因のひとつは、製薬会社が〈競争をわざと遅らせる手口〉を使うことです。大統領令 は、司法省(DOJ)や連邦取引委員会(FTC)と協力して 180 日以内 に対策をまとめるよう保健福祉省(HHS)に命じています。
これもゆがみの是正ですね。
どんなことが過去あったかというと…
- 「ジェネリックをお金で黙らせる」――ペイ・フォー・ディレイ
ブランド薬メーカーが訴訟をチラつかせて後発メーカーに現金を払い、発売時期を遅らせる和解手口。FTC は 年間 35 億ドルの損失になると試算しています。 - 「特許で城壁を築く」――パテント・シケット
抗リウマチ薬ヒュミラに対し、アッヴィ社は 100 件超の特許を次々に取得し、バイオシミラー参入を平均 5 年以上遅らせたと訴えられました。 - 「安全制度を盾に材料を渡さない」――REMS 悪用
ジェネリック企業は試験用サンプルがないと開発できません。セルジーン社(レブラミドなど)は REMS(リスク管理プログラム)を理由に提供を拒否したとして議会で批判されました。 - 「形だけ変えて独占を延長」――プロダクト・ホッピング
オピオイド離脱治療薬サブソンで、メーカーが従来錠剤を急にフィルム剤へ切替え、錠剤を市場から引き上げて後発参入を阻止。42 州が訴え、1億 0,25 百万ドルの和解で決着しました。



我が業界ながら結構悪どいことしているのね…



生き残りかけてやってるわけだし
特許でガチガチに固めるのは許して欲しいけどね…
大統領令では
- 公開ヒアリング
HHS と FTC・DOJ が合同で製薬・ジェネリック各社から事例を聴取し、問題点をリスト化。 - レポート提出(180 日以内)
訴訟強化、特許審査の透明化、REMS 規則の改正などをまとめて大統領に提言。
こんな流れで対応がなされるようです。
ここの内容次第ではより先発メーカーは厳しくなるかもしれません。



大統領令がやっと終わった。。。
分ければよかった。。。
関税・国内生産回帰
早速の私見で恐縮ですが…これは大統領令でせっかく下げた薬価を押し上げてしまうので、うまくいくのか正直疑問はあるところ…
ただ、各社米国製造力の強化みたいなニュースは出てきているので既に目論見は完了しているとも考えることができそう。
薬価を安く!と合わせて製造自体も国内に集約して雇用創造と国外製造することによるブラックボックスの解消を行いたいのではないでしょうか?



ただ奇々怪界な医薬品製造サプライチェーンでこれできる?とは思いますよね
2025-04-08 NRCCディナー演説
We’re going to tariff our pharmaceuticals. And once we do that, they’re going to come rushing back into our country, because with a big market, the advantage we have over everybody is that we’re the big market.
So we’re going to be announcing, very shortly, a major tariff on pharmaceuticals.
And when they hear that, they will leave China — they will leave other places — because they have to sell most of their product here, and they’re going to be opening up their plants all over the place.
Companies are pouring back into our country with plants.引用:PORITICO動画
翻訳:聞いてくれ、みんな!
オレたちは 医・薬・品にドカンと関税 をかける。しかも“ちょっと”じゃない、史上最大級だ。やった瞬間に製薬会社はダッシュでUターン、アメリカへ猛スピードで戻ってくる。なぜか? アメリカは世界一デカい市場だからだ。これがオレたちのアドバンテージ、他の国は真似できない、信じてくれ!
だから――ほんのすぐ先に、桁違いの医薬品関税を発表する。で、連中がそれを耳にした瞬間、チャイナからも他の国からも逃げ出す。売りたけりゃここで売るしかないんだからな。そしてどうなる? 全米いたる所に新工場がボンボン建つ。企業も雇用もマネーも、み~んなアメリカに逆流だ。
企業が戻ってくる。工場が戻ってくる。偉大なるアメリカに!
これは“とてつもなく素晴らしい”ことになる。Believe me!
トランプの医薬品関税はやっぱり医薬品工業の米国回帰が目的みたいですね…複雑怪奇な医薬品製造で、そんなうまくいく方法あるの…か?🤔
— チクチク@製薬ブログ (@mrnetinfo) April 10, 2025
【以下発言ポイントと邦訳】
"We're going to tariff our pharmaceuticals, and once we do that, they come rushing back into our country, because we're the… pic.twitter.com/rkagvH6tt4



製薬のトップマネジメントが
今最も頭を悩ませていることの一つではないのかな?
違法薬物・フェンタニル対策
フェンタニルに対しては
かなり強烈な意志を感じますね。
各国に関税を使って是正を求めたい様子。
あまりこの情報はTVでは報道されていないのではないでしょうか?
ターゲットになっているのは
- メキシコ
- 中国
- カナダ
この3カ国です。



特に関係の深いカナダには強く是正を求めています。
2025-01-17 X投稿
I just spoke to Chairman Xi Jinping of China. The call was a very good one for both China and the U.S.A. It is my expectation that we will solve many problems together, and starting immediately. We discussed balancing Trade, Fentanyl, TikTok, and many other subjects. President Xi and I will do everything possible to make the World more peaceful and safe!
引用:X
翻訳: 「習近平と交渉したぞ!フェンタニル問題もまとめてやる!」
2025-02-01 ホワイトハウス・ファクトシート
ADDRESSING AN EMERGENCY SITUATION: The extraordinary threat posed by illegal aliens and drugs, including deadly fentanyl, constitutes a national emergency under the International Emergency Economic Powers Act (IEEPA).
Until the crisis is alleviated, President Donald J. Trump is implementing a 25% additional tariff on imports from Canada and Mexico and a 10% additional tariff on imports from China. Energy resources from Canada will have a lower 10% tariff.
引用:Fact Sheet
翻訳: 不法移民とフェンタニル問題が解決するまで、私は次のことをやる。カナダとメキシコから入ってくるものには、25%の追加関税をかける。25%だ。中国から入ってくるものには、10%の関税をかける。でも、カナダからのエネルギー(石油など)は少し安くして、10%の関税にする。アメリカにとって必要だからだ!
2025-02-27 Truth Social投稿
翻訳:メキシコやカナダから、いまも信じられないほど大量の薬物がアメリカに流れ込んできている。これは受け入れられない!
その多く、特にフェンタニルは、中国で作られ、中国から供給されている。
去年だけで、こうした危険で非常に中毒性の強い毒によって、10万人以上の人が命を失った。
過去20年で、何百万人もの人が亡くなっている。被害にあった家族たちは打ちのめされ、ときに完全に壊れてしまいました。この悪夢を、これ以上アメリカに続けさせるわけにはいかない!
だから、これが止まるか、明らかに減るまで――
予定されている追加関税(TARIFFS)は、3月4日に予定通り実施します!
その日に、中国にも追加で10%の関税をかけます。
そして、4月2日に予定されている「相互関税」も、完全に有効のままだ。
この件に注意を向けてくれて、ありがとう。
GOD BLESS AMERICA!
2025-03-06 合同議会演説
No, no. I’m going to — I’m not stopping the tariffs, no. Millions of people have died because of the fentanyl that comes over the border.
翻訳:いや、やめませんよ。私は関税を止めるつもりなんてありません。絶対にない。
フェンタニルが国境を越えて入ってきたせいで、何百万人もの人が亡くなっているんです。
it’s very hard. It’s, right now, very hard to come through the border. But the — look, the damage has been done. We’ve lost millions of people due to fentanyl. It comes mostly from China, but it comes through Mexico, and it comes through Canada.
引用:REMARKS BY PRESIDENT TRUMP BEFORE CABINET MEETING
翻訳:今、国境を通るのはとても難しくなっています。非常に厳しくしています。
でも――見てください、もう被害は出ているんです。
私たちは、フェンタニルのせいで何百万人もの命を失いました。
フェンタニルは主に中国から来ています。でも、メキシコを通って、カナダを通ってアメリカに入ってきているんです。
We lose 300,000 people a year to fentanyl. Not 100-, not 95-, not 60-, like you read. You know, you’ve been reading it for years.
We lost, in my opinion, over the last couple of years, on average, maybe close to 300,000 people dead, and the families are ruined. You know, when they lose a daughter, when they lose a son, the families are never the same. You’re never going to be the same. So, you’re talking about a million people.
But when the daughters die, I see it — daughters die and the sons die because of fentanyl. And in some cases, they don’t even know they’re taking it. They — they’re buying something else, and it’s laced with fentanyl, and they end up dying. And I’ve known many people who have lost children to fentanyl and for other reasons, but to fentanyl. It’s such a big killer. And those people are never the same people.
I mean, I’ve seen people that — for the rest of their lives, they’re not the same people. They’re so different, it’s not even believable. Dynamic people, happy people that are — they die a miserable death. And that’s because of the crap that comes in through China and through Mexico and through Canada. A lot of it comes through Canada.
引用:REMARKS BY PRESIDENT TRUMP BEFORE CABINET MEETING
翻訳:私たちは毎年30万人もの人をフェンタニルで失っています。
10万人じゃない。9万5千人でも、6万人でもない。みんなそう書いてるけど、違います。何年もそういう数字を読んできたでしょう?
私の考えでは、ここ数年、平均しておそらく毎年30万人が死んでいる。そして家族は壊れてしまう。
娘を失ったとき、息子を失ったとき――家族はもう二度と元には戻らない。戻れないんです。
だから言いたい。これは100万人規模の問題なんです。
娘が死ぬ。息子が死ぬ。私はそれを見てきました。
しかも、本人たちはフェンタニルを飲んでるなんて知らないこともある。
別の薬を買ったつもりが、フェンタニルが混ざっていて――それで死ぬんです。
私は、子どもをフェンタニルで失った人たちをたくさん知っています。フェンタニルで。
フェンタニルはとてつもない殺し屋です。
そして、その人たちは――もう元の自分には戻れません。
私はそういう人たちを見てきました。一生、変わってしまうんです。
以前は元気で、明るくて、活発だった人が――まったく別人になってしまう。
信じられないかもしれないけど、そうなんです。
彼らは、もう二度と笑えない。
そして、すべての原因は、中国、メキシコ、そしてカナダを通じて入ってくる“クズ”のせいです。
カナダ経由でも大量に入ってきています。



この後、結構強烈にカナダへの関税について言及してました。米国の州になればいいみたいなことも言ってて流石だな…と



名指しでカナダ見ているか?って書いてあるのは震えたわね…
これは私見ですが、トランプ大統領は実の兄を アルコール依存症による健康問題で亡くしているので、薬物依存には熱が入るのでしょう。フェンタニル問題にはかなり強力に立ち向かってくれそうです。



日本のお薬もぐもぐも対処してくれ。。。


まとめ


以上、長々とまとめさせていただきました!
- 薬価に関連するゆがみをなくす
- 関税を使った国内製造インセンティブという相反する圧力を同時に業界へかける
- 違法麻薬(フェンタニル)も終わらせる!
というポイントをおわかりいただけますと幸いです。
余談ですが、実はこのほかにも、ワクチンは自由意志で打つべきという発言もしていました。ただ内容それだけなので除外しています。まぁそうだよね。公衆衛生のためでも無理矢理は良くないよね。
正直今回のまとめ、かなりしんどかったのですが
大統領令の目的がゆがみの是正&フェンタニルにかける熱い思い
この2点を知れてよかったなーと思いました。
正直、ポジティブに印象変わりました。
皆さんはどうだったでしょうか?



面白かったら拡散いただけると嬉しいです!以上チクチクでした!