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日医工の自主回収のまとめと理由一覧表【自主回収が止まらない】

本記事は4/7の自主回収と5/18の自主回収、5/26の東和から委託をうけているメサラジン自主回収をまとめた記事になります。

追記しているため、時系列に並んでいます。目的の内容がある場合は目次より飛んでください。

4/7:15品目の自主回収

4/9業界紙ミクスに以下記事が載りました。

日医工は4月7日、同社が製造する12成分15品目を自主回収(クラスⅡ)すると医療関係者への周知を開始した。回収の内訳は、①安定性モニタリングにおいて承認規格に適合しないもの「8成分9製品」、②出荷時の定量試験で実態と手順に齟齬が生じていたもの「2成分3製品」、③出荷試験の溶出性で社内規格を下回る製品が出荷されていたもの「1成分1製品」、④安定性モニタリングにおいて定量試験および純度試験(類縁物質)が承認規格に適合しないもの「1成分2製品」-あった。自主回収する製品の業績影響は、売上高の1%程度としている。なお、承認規格に適合しなかった理由については、社内調査中としている。

これを見た瞬間に

 
理由不明だけど馬鹿みたいに多いぞ?
 
後発品会社は高い製剤技術が売り。内容次第では非常に大きな信用問題になるんじゃないか?

と感じました。

 考え過ぎかもしれませんが,とりあえず見にくいので表にしてみました。

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日医工の回収品15品と理由

商品名回収理由
ランソプラゾールカプセル30mg溶出試験において実態と手順に齟齬
ランソプラゾールカプセル15mg定量試験および溶出試験において実態と手順に齟齬
メキシレチン塩酸塩カプセル50mg定量試験において実態と手順に齟齬
プラバスタチン10㎎定量試験および純度試験が承認規格に適合しない
プラバスタチン5㎎定量試験および純度試験が承認規格に適合しない
オルメサルタンOD錠20mg出荷試験の溶出性が社内規格を下回る
ベタヒスチンメシル塩酸錠6㎎溶出試験が承認規格に適合しない
ニコランジル錠5mg定量試験または製剤均一性試験が承認規格に適合しない
テプレノン細粒10%定量試験が承認規格に適合しない
テプレノンカプセル50mg定量試験が承認規格に適合しない
テオフェリン除錠錠100mg溶出試験が承認規格に適合しない
セフテラムピボキシル細粒小児用10%純度試験が承認規格に適合しない
セファクロルカプセル250mg純度試験が承認規格に適合しない
グリメピリド錠1mg溶出試験が承認規格に適合しない
ATP腸溶錠20mg溶出試験が承認規格に適合しない
https://www.nichiiko.co.jp/medicine/important/より作表

オルメサルタンとかランソプラゾールとか有名で処方量多い薬が沢山入ってますね。

これは回収&お詫びしなきゃいけない施設が山ほどありそう…

4/26:回収の考察

社内規格不適合は1件。他は、試験方法そのものが間違っている齟齬。そして、承認規格に適合しないものが流通したという内容ですね。複数の試験方法で適合外が見つかっています。このことからも問題は1つではなく複数の問題が発生してそうです。

これらの不適合品が時期をずらして17年9月26日~20年4月3日まで出荷されていました。2年半にわたってこれだけの品目に何らかの規格外品が流通していたわけで、患者さんへの健康被害はないとしても、信用への影響は非常に大きいんじゃないでしょうか?

先ほども記載した様に後発品会社というのは高い製剤技術と信頼性が求められます。

今回の件は

 
3製品は試験方法勝手に変えてやってました。そして12製品は作られたものが規格外でした!!!

というものです。

これは製剤技術に関する信頼性が大きく損なわれる理由として十分ではないでしょうか。

1製品規格外が出た回収!!という話は良くあります。しかし、今回のケースは規格外だけでなく承認外の試験方法も同時です。管理体制自体に問題があると疑われても仕方がない内容かと思います。

更に言うと時期が悪い!!コロナで緊急事態宣言が出ている中、特約店のMSさんは回収のために医療機関を飛び回らなくてはなりません。ウイルスの拡散を防がなくてはならない時期にMSさんが医療機関に訪問しなくてはいけない理由を作ってしまったという社会的な責任はあるのではないでしょうか。

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4/26:日医工の変化を振り返る。

f:id:HKS17881:20200426230258j:image

この画像は日医工の投資家向けプレスリリースのページです。(2020/04/26づけ)

追加情報含めて回収に関する記事は1つもありません。GW前の04/26になってもプレスリリースすら出さないっていうのは企業姿勢としてどうなのかなとは思います。既に2週間以上たってますからね。

プレスリリースはしない方針なんでしょうか。ここでも少し信頼性が落ちてる様に思います。さらに市場の大半を押さえていた薬剤では、絶対的な物量が足りなくなり、競合他社では対応できず出荷調整がかかっています。ATP製剤の出荷調整やらテプレノンの出荷調整やらで業界他社に迷惑かけまくってますね。

なぜ売り時なのに競合他社は出荷調整するの?と思われる方もいるかもしれません。これは欠品を避けるために行われます。欠品すると今まで非日医工品を選んでいた競合他社にとってのお得意様である医療機関に薬を納入出来なくなり迷惑をかけてしまいます。

既存のお得意様>新規のお客様(日医工のお客様)

となるのは至極当然の流れですよね。当然、日医工を信じて使っていた医療機関は必要な薬が手に入らなくなります。こういったリスクを避けるためにも後発品メーカーは製剤技術に対する信頼性確保が重要なんです。

問題を受けての対応

4/1の人事異動からは今回の件に対する対応がみれます。

f:id:HKS17881:20200501143648j:image

GMP監査室を新設する様です。

GMPはGood Manufacturing Practiceの頭文字です。製造管理とか品質管理基準を示した規範となってます。そこんとこを監査して、管理体制を強化したと見られます。

問題に関してプレスリリースはしないけれども人事異動で示す….多くは語らず背中で示すということでしょうか。

5/18:更に9品目の自主回収

8成分9製品の自主回収が追加で発生しました。せっかく4/26の追記で少し褒めたのに…背中で語るんだと思っていたのに…計24品目の自主回収になりました。史上最大規模ではないでしょうか。特約店MSと顧客がブチ切れる絵が浮かぶ…

ミクスオンラインの抜粋記事も記載します

日医工の田村友一社長は5月18日の決算説明会(Web会議形式)で、同社の富山第一工場で製造する8成分9品目33ロットについて「承認書に記載のない工程を実施していた」等の事案が発覚し、当該製品と対象ロットについて自主回収(クラスⅡ)を開始したことを明らかにした。同社は4月にも同じ工場で12成分15品目が「承認規格等に適合せず」として自主回収を行っていた。田村社長は決算説明会の冒頭で、「多くの製品の回収により患者様、医療機関、卸の方々、製薬企業の皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。また同社として5つの品質改善への具体策を公表し、取り組む姿勢を表明した。

ミクスオンライン2020/05/19より

上記同様に商品名と回収理由を表にしました。

商品名回収理由
イフェンプロジル酒石酸塩錠20mg「日医工」承認書にない工程を実施していた。規格には適合。
品質に関する科学的妥当性を示せない
メキシレチン塩酸塩カプセル50mg「日医工」出荷試験の書類に欠落、定量値が承認規格に適合しない
オロパタジン塩酸塩OD錠5mg「日医工」出荷試験の書類に欠落。規格には適合。
欠落部分での品質の担保が証明出来ない
ゾルピデム酒石酸塩錠10mg「日医工」出荷試験の書類に欠落。規格には適合。
欠落部分での品質の担保が証明出来ない
プラバスタチンナトリウム錠10mg「日医工」出荷試験の書類に欠落。規格には適合。
欠落部分での品質の担保が証明出来ない
オルメサルタンOD錠40mg「日医工」出荷試験の溶出性が社内基準を下回る。承認規格には適合。
承認規格を下回る可能性を否定できない。
オキサトミド錠30mg「日医工」承認書にない工程を実施していた。規格には適合。
品質に関する科学的妥当性を示せない
クリノリル錠50承認書にない工程を実施していた。規格には適合。
品質に関する科学的妥当性を示せない
クリノリル錠100承認書にない工程を実施していた。規格には適合。
品質に関する科学的妥当性を示せない
https://www.nichiiko.co.jp/medicine/important/より作表

9品目回収の感想

個人的感想ですが、なんとなく化血研のワクチンの承認外製造事件と似ている気がします。1人の担当者が同じ薬を何年間も作って、効率と品質を求めていった結果、承認方法から変化してそれを再申請せず、さらにそれがブラックボックス化していったのでしょうか。(個人意見です)

GMP監査室が出来て、残ってたホコリが叩き出されたという好意的見方もできますし、しばし動向を見守りたいと思います。

5/26:メサラジン錠の自主回収

今度は東和薬品から受注生産を受けているメサラジン錠の自主回収が発生しました。業界紙RISFAXの記事を引用して紹介します。

 

日医工が製造する品目の自主回収が止まらない「異常事態」が続いている。煽りを受ける格好で東和薬品は26日、日医工の富山第一工場に製造委託している潰瘍性大腸炎・クローン病薬「メサラジン錠500㎎『トーワ』」について、一部ロットの自主回収に着手した。日医工から出荷時の溶出試験データの取り扱いに不適切な点があったとの連絡が入り、承認規格外であることが否定できないためだ。東和薬品の説明によると、日医工が溶出試験を実施したところ、承認規格外であると判明。その後、あらかじめ定めていた手順書に基づかない方法で処理し、出荷していた。現在、「原因究明と再発防止を日医工にお願いしている」状況。他に製造委託する「数品目」では「不備は認められないと(日医工から)回答をもらっている」という。

引用:https://risfax.co.jp/risfax/177846

日医工にとって他後発品会社からの受注生産は大きなビジネスだったと思います。

他の会社からも製剤技術を評価されていたのでしょう。

もともと非常に高い製剤技術を評価されていたからこそ出来ていた受注生産だと思いますが、今回はその部分への信頼も傷つけてしまったでしょうね…

 

個人的に気になるのは

「日医工が溶出試験を実施したところ、承認規格外であると判明。その後、あらかじめ定めていた手順書に基づかない方法で処理し、出荷していた。

ここ!!

いや出荷すんなよ!何故出荷対応になるんだ???

データに基づく判断が重要な医薬品製造の現場でこういう判断しちゃうマネージャーや従業員はおかしいでしょう。だめだってわかってるのに出荷しているのは理解不能ですね。

 

医療機関でも日医工品を全て切り替えたという話も聞くようになってきました。どこまでこの問題は拡大するのでしょうか。

情報の更新を待って追記していきます。