すぐ確認する際は目次から飛んでご確認ください!
MRに求められる人物像・能力
まず簡潔にMRに求められる人物・能力を紹介させてもらいます。
なおコレは完全に私の私見です。ですが、現場で働き続けてきたものとして大きく外してはいないでしょう。
会社ごとの違いも当然有りますので、就活される方は採用担当に是非確認いただき微差を修正してください。
精神面
- 全国転勤の覚悟がある(案外決まっていない事が多い)
- 薬に興味がある(これがないと勉強しなくなる)
- 医療に貢献したいと少しでも感じている(少しでいいから有ることが重要)
技術面
- 変化に対応できるスキル(PDCAが回せる、現状維持バイアス)
- 話を聞きたいと思わせるスキル(コミュニケーション能力)
- 端的かつ正確に情報を伝えるスキル(めんどくさいと思わせない)
まぁなんとなくわかるわね…詳しく紹介しなさい?
全国転勤の覚悟がありますか?
まずは全国転勤の覚悟について紹介していきます。
MRの募集要項を確認すると大体『全国勤務可能な方』という記載が有ります。
なので、MRになりたい人にとっては『何をいまさら…』と思うかもしれません。
でも意外に覚悟が決まっていない新人は多いです。体感的には1/3は決まっていないでしょう。
配属されると大体5年前後はその土地で暮らします。
首都圏や近畿圏に配属されなければ、貴重な20代前半を田舎で過ごすことになります。
人生は一度きりです。その中でもことさら貴重な20代を田舎で過ごす覚悟はありますか?
特に多くの女性にとっては結婚も考える時期です。
出会いの少なくなりがちな地方で20代を過ごす覚悟がありますか?
また、30代以降では多くの男性MRが単身赴任を経験することになります。
かわいい子供と離れて暮らす覚悟はありますか?
一生親や生まれた土地と離れて流浪する覚悟がありますか?
少しでも迷ったならば、しっかりとこのことを考えてから入社試験に挑むことをお勧めします。
人によって価値観はバラバラですが、それなりに多くのものを捨てなければならない可能性があるのが転勤族という仕事です。
薬に興味がありますか?
薬に興味がないと、製品知識を得にくくなります。また勉強も辛いものとなるでしょう。
結果、さらに勉強しなくなり営業自体のやる気も失うと『眠たいことを言うおっちゃんMR』が出来上がります。
こうなってしまうとPIP対象になり地獄が待っています。
さらにこれからの新薬はどんどん高度化していきます。
加えてMRの淘汰も進むため継続的な勉強が絶対に重要です。
入社してから定年までの約40年の勉強を支えるのは『薬への興味』がもっとも強いです。
全く薬に興味がない人はMRになるのは避けた方が良いです。
逆に少しでも興味があるようでしたら文理関係なくMRの適性があります。
医療に貢献したいと少しでも感じていますか?
これは少しでいいです。少しでいいので備えていてください。
医療に貢献したいと少しでも感じているでしょうか?
顧客となる医師、薬剤師は医療のスペシャリストです。
医療貢献への強い思いを持っていますし、私たちにもそれを求めてきます。
そして思いがない場合見破られますし、その場合MRとして死にます。
医療資格を持っていない社員は入社してから生まれて初めて本格的な医療情報、医療教育を受けます。
そのため、医療に対する思いやリテラシーは医師や薬剤師より低くなること自体は仕方がありません。
と言うより低くて当たり前です!!
でも安心してください!
少しでも備えていれば継続した教育と環境ですぐに医療貢献への思いが育ってきます。
しかしながら…全くないと、かなりしんどいです。
継続的教育でいつか芽生えますが、それまでは周りの人が何考えているかわからないでしょう。
…と言うのも私自身がこのクチでして、入社してから5年くらい苦しみました。
なぜ話をしっかり聞いてくれない顧客がいるのか全くわかりませんでした。当然営業成績はふるいません。
でも、ある日ふと気づくわけです。
『具体的に患者が感じるメリットや視点が抜けている』と言う事実に…
医療貢献への思いがなさすぎて治療の主役は常に患者だという事がそっくり抜けていたんですね。
そりゃあ医師には見透かされ話を聞いてもらえないケースもあるってもんです。
継続した会社の教育で医療貢献の視点が養われ世界が変わった瞬間でした。
このように全く医療貢献の思いがなくても長期的には養われますが、かなりしんどい思いをするため個人的にはお勧めしません。
変化に対応できますか?現状維持バイアスに打ち勝とう!
個人的にコレはかなり大事だと思っています。
MRと言う職業はかなりの過渡期にあります。
そのため、ルールや体制、方法が目まぐるしく変わっています。
数々の変化は人間に取って非常に強いストレスです。
そのため、人間には現状維持バイアスと言う激動のMRにとっては悪魔の機構が備わっています。
現状維持バイアスは、有益である事柄でも未知や未経験である場合、心理的抵抗が生じ、現在の状況に固執してしまう事です。
例えば、
- インデックス投資とか良さそうだな…と感じているのになんか面倒で初めていない方いませんか?
- 英語話すのにオンライン英会話がいいと思っているにもかかわらず、二の足踏んでいる人いませんか?
- 格安SIMに変えた方が安くて良さそうなのに未だにキャリアSIMで1万円近く携帯代を払っている人いませんか?
コレらは全て現状維持バイアスの餌食となっています。
多くの変化に対応しなければならない今のMRにとって現状維持バイアスにしっかりと対応できることは必須スキルです。
通常の営業でも『あそこの先生、あれ出来れば使ってもらえそう…』と思っても具体的なやり方がわからずめんどくさくなり、現状維持バイアスに囚われてやらず実績が伸びない…こんなこと意外と多いです。
これに打ち勝つにはしっかりとPDCAを回し、正確に現状を認識しながら他者のアドバイスを活かし変化に対応していく必要があります。
PDCAは訓練ですので、日々細かくプランニング、実行、チェック&相談、アクションをしていくしかありません。
私は能率さんのPDCA手帳を使って日々のPDCAを管理しています。
というかコレは新人にすごいオススメです。手放しでススメられます。
誰でもPDCAが回せる作りになっている上、使い方の解説書までついている至れり尽くせり仕様です。
売り切れていたら、近くの書店を探してみてください。
話を聞きたいと思ってもらえますか?
どんな薬を紹介するときも相手が聞く体勢になっていなければ、どれだけ話しても全く効果がありません。
相手に聞きたいと思わせるスキルはMRに最も必要なスキルであることは間違いありません。
就活の時も、どんな方法でもいいので相手に聞く体勢を作って貰うことを忘れないでください。
定量化できないため実感はしにくい&状況や相手によって対応は常に異なるため教える事が困難なスキルですが、意識して続けると必ず上手くなっていきます。
相手の聞く体勢を作るスキルは間違いなく存在します。
数字をあげているMRの多くはさまざまな方法で相手が聞きやすい、または聞かざるを得ない状態を作っています。
共通していると思うのは細かい感情の動きを敏感に察知して、対応を変化させています。
コレは本で学んだり、見て盗んだりしながら、実践して習得する高度なスキルです。
高度だから諦めてもいいかーと思う人もいるかもしれませんが、就活の短い期間でも意識してやるのとやらないのでは大きな差を生みます。
相手の話をしっかり聞いて細かい感情の動きを敏感に察知できるよう心がけると後々活きてきます。
端的かつ正確に情報を伝えられますか?
MRの商品は薬ですが、その本質は情報です。
コレを適切に扱え、伝えられる能力はMRにとって『相手に聞きたいと思わせるスキル』に次いで大切だと私は思っています。
なので、この力は面接でもかなりチェックされてるのではないでしょうか?
病院等では廊下での立話や歩きながらの紹介なども行うのがMRです。
そうなってくると、端的かつ的確な情報提供能力も非常に大切です。
必要な情報をわかりやすく手短に伝えることで、忙しい医師に対しても適切な情報提供が出来ます。
周りくどくて何言いたいかわからない…って人たまにいますよね。
回りくどいのはMRやっていて一番良くないようです。
これもスキルです。
わかりやすく伝える方法は各種ありますが、まず選ぶとするならば
結論、理由、具体例、結論と理由と具体例を結論で挟む方法がオススメです。
まず結論を述べて、相手にアウトラインを理解した上で、理由を伝え、さらに具体例を述べることで深く理解を促す方法です。
あとがき
今回はMRに求められる人物・能力を精神面、技術面から紹介させていただきました。
全てが当てはまっている必要はないでしょう。足りないスキルは磨けばいいですし、精神面も養うことは可能です。
全国転勤の覚悟、薬と医療に興味をもち、変化に対応し、話を聞いてもらえるコミュニケーション能力を備え、かつ端的かつ正確に情報を伝える事ができる人…これが全て高いレベルできるのはスーパーMRだけでしょう!
力を意識的に磨き、この力の片鱗さえ見せることが出来れば、力を磨いていない人に差をつけることは容易いのではないでしょうか?
なお前述の通り今回の記事は他職種の方にも回答いただいています。
他の製薬職種の方の視点も確認いただくことで、製薬企業がどんな人材を求めているかわかるものがあるのではないでしょうか。
以下にリンクを貼りますので、合わせてご確認ください!
複数の人で共通してる部分があれば、それが真理である可能性は高いです。
連動記事一覧
大学担当MRメディ太さん:就活生必見!製薬MRに求められる人物像~向いている人~
CRAのDENKO-SEKKA04さん:【厳選5つ】臨床開発モニター(CRA)に求められる人材とは!?